【赤米】
【あかごめ/あかよね/しゃくまい】  赤い色をした米。弥生時代などに食べられていた古代米(こだいまい)
弥生人は普段はこの米に木の実を混ぜ、雑炊(ぞうすい)のようにして食べていた。 
【暁/鶏鳴】
【あかとき】 夜が明ける時。夜明け。あかつき。
【贖物】
【あがもの】  罪を(あがな)うために(ささ)げる財物。
罪を犯した際、それに見合った財物を捧げることによりその罪を消し去ること。
祓へつ物。 
【鰓】
【あぎ】
魚のエラのこと。 
【商人】  【あきひと/あきびと】  (あきな)い(商売)をする人のこと。
後に『あきひと(あきびと)』→『あきうど』→『あきんど』に変化した。 
【盤領】
【あげくび/ばんりょう】 丸首のシャツのような上衣で、左前の詰衿(つめえり)形式。
上下2ヶ所を(ひも)で結んで留める。
大陸文化の影響を色濃く受け継いだ衣服。「くびかみ」とも言う。
主として古墳時代に多いが、後世の服装にもその伝統が伝えられている。
女子の埴輪(はにわ)に多い服装と言われているが、特に男女の(ちが)いはなく、むしろ男女が衣服を交換(こうかん)して(たが)いの服を下に着込み、(はな)れている相手のことを(しの)んだりもした。
ちなみに当時の上衣は身丈(みたけ)は腰くらいまでで、筒袖(つつそで)
盤領(あげくび)の他に、逆y字型(着物の衿に似ているが現在のものと違い左前)の垂領(たりくび)があった。 
【曙】 【あけぼの】 夜が明け始め、朝日が仄々(ほのぼの)と(=ほのかに)差し込むころ。 
【浅葱/浅黄】  【あさぎ】  色の名前で、浅い(=薄い)()の葉の色を意味する。
色は、薄い藍色や薄い青、水色。
  【あしぎぬ】  ()(ぎぬ)、すなわち粗末(そまつ)な絹織物のこと。
税の一つ『調』として中央政府に納められていた。 
【仇/敵】  【あだ/あた】 

敵。かたき。自分にとって害となるもの。
あるいは恨み。 

【他国】 【あたしくに】 他の国。よその国。
異国。異郷。
【貴人】  【あてびと】  高貴な人。
身分の高い人。
【迎合】  【あど】 

相手に対する(調子を合わせた)受け答え。あいづち。
多くは「あどを打つ」「あどうつ」などという形で「相手に調子を合わせる」という意味で使われる。 

【甘葛】
 
【あまずら/あまづら】
 
古代の甘味料。
ツタ状の植物から採取した樹液を煮詰めて蜜状にしたもの。
枕草子には削氷(けづりひ)(かき氷)にかけるシロップとして登場する。
原料となる樹液の糖度はモモやメロンに匹敵する。
スプーン一杯分作るにも大量の原料と相当の手間が必要な高級品。 
【天神地祇/天津神国津神】  【あまつかみくにつかみ】 

天の神と地(国土)の神。
この世のありとあらゆる神々のこと。 

【天之水分神】
 
【アメノミクマリノカミ】
 
水分(ミクマリ)は水を配る(=水を配分する)という意味。
天の水の分配を司る神。 
諸国にある水分(みくまり)神社では、この神に稲作(いなさく)に必要な水の配分を祈願したという。
ハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメを父母とし、イザナギ・イザナミの孫に当たる。 
【母】 【あも】 昔の東国の方言で母のこと。
ちなみに東国以外の別の地域では『おも』と言っていた。
【綾】  【あや】 

様々なもの(特に水面や波など)の表面に現れる、いろいろな形の模様のこと。
特に、斜めに交差した模様のこと。 

【足結/脚結】  【あゆい/あゆひ】 

(はかま)の膝下を結ぶ(ひも)
(紐だけでなく、鈴や玉をつけて(かざ)ることもある。)
あるいは、その紐を結ぶこと。
脚帯、脚荘厳(あしよそひ)
外出(旅行)・労働の際や武装などの正装時に身につけた。 

【粗金/鉱/鉱鉄】  【あらかね/あらがね】 

まだ精錬されていない、山から掘り出されたままの状態の金属・鉱石のこと。
あるいは鉄のこと。 

【荒魂】 【アラミタマ/アラタマ】 神や精霊の魂が激しく荒ぶっている状態。災いをもたらすなどして大変に危険。
【鰒珠/鮑珠】
【あわびたま】 真珠のこと。
昔の真珠はアコヤ貝ではなく、主にアワビからとっていたため、このように呼ばれている。
『あわびしらたま』とも言う。 
【海石】  【いくり】  海の中にある岩や暗礁。あるいは「石」。 
【徒に】  【いたずらに/いたづらに/あだに】  無駄(むだ)に。
むなしく。
(はかな)く。 
【市】  【いち】  市場。人々が物を売買する場所。
また、国が税として集めた諸国の名産品を売りに出したり、広場で大道芸や犯罪者の見せしめの刑が行われたりもしていた。
市が開くのは正午で、その開閉の合図は太鼓の音で行われていた。 
【稲つるび】
【いなつるび】
稲妻、稲光。
「つるび」は「交配」のことを言い、古代では雷が稲と交わることにより穂が実ると信じられていた。 
【気吹戸/息吹戸】  【いふきと/いぶきど】  罪や(けが)れ・災厄を神の息吹(いぶき)によって異界(根の国)へと吹き払うための()(=出入口)。 
【気吹戸主/息吹戸主】  【イフキドヌシ/イブキドヌシ】 

気吹戸(イフキド)」にいる神。(はらえ)を司る「祓戸之大神」のうちの一柱。
罪や(けが)れ、災厄をその息吹によって「気吹戸」から根の国の地の底へ吹き払う能力を持つ。

【夢】  【いめ】  (ゆめ)のこと。
寝目(イメ)(=寝ている間に見るもの)という意味。  
【弥終/彌終】  【いやはて】 

最後のこと。一番後のこと。
一番の果てのこと。 

【族/親族】  【うがら/うから】 

血縁のある集団、つまり親族のこと。
「カラ」は「血縁の集団」を意味する。 

【現身/現し身】  【うつしみ】 

(うつ)し(=目に見えるように存在する)身(=体)のこと。
(神の世界やあの世ではない)この世に生きている身体のこと。
ちなみに現在は「うつせみ(空蝉)」あるいはその古形である「うつそみ」とは別の言葉と言われている。
(ただし、江戸時代の国学者には同じ意味と誤解されていた。) 

【器】  【うつはもの/うつわもの】 

器具・道具のこと。あるいは容器・入れ物のこと。
あるいは人間の器量・才能のこと。 

【空玉】  【うつろだま】 

中が空洞(くうどう)になった金属製の玉。古代のアクセサリー。
金や銀でできた耳飾りなどが出土している。 

【うなぎ松明】
【うなぎたいまつ】 ガマの穂を()して油を()り、塗っては干し、塗っては干しを数度()り返し、その上を(ウナギ)の皮で巻き、さらに油を塗ったもの。
これに火を(とも)すと雨の日でも消えない。 
【訴へ】 【うるたへ/うるたえ】 (うった)え」の古い言い方。
(おおやけ)の場などで自分達の(かか)える事情を話し、解決や救済を求めること。 
訴訟(そしょう)
【衛士】 【えじ】 都の主要施設や門を守る兵士。
元は兵役(へいえき)で集められた地方農民であり、任期は一応一年と決められているが、長引くことも多かった。
【越後の七不思議】
【えちごのななふしぎ】  越後国に伝わる七つの不思議。
火井・臭水(くそうず)かまいたち・波の題目・逆竹・八房梅・弘智法師遺骸の七つ。
あるいは、妙法寺の燃風火・西頚城郡名立町の四海波・妙高山赤坊主八滝・新津市柄目木の臭水・中蒲原郡村松町河内墓坊塔・栃尾市の塩谷塩水・中頚城郡柿崎町米山腰の燃石の七つ。 
【槐】 【えにす/えんじゅ】  夏に黄白色の花をつけるマメ科の落葉高木。
花に含まれる黄色色素は高血圧の薬となり、また乾燥させると止血薬になる。
『えにす』は古名。『えにす』が転じて『えんじゅ』になったと言われている。 
【弟姫/乙姫】  【おとひめ】 

妹姫。
姉妹の中で妹にあたる姫。(ちなみに姉姫のことは兄姫(えひめ)という。 )
あるいは、竜宮城に住む美しい姫のこと。

【大后】
【おほきさき/おおきさき】 正妻。正妃。 
複数の妃がいる場合、他の妃たちを単に『キサキ』と呼ぶのに対し、第一の妃を『オオキサキ』と呼んだ。
【太水神】 【オホミズノカミ/オオミズノカミ】 「播磨国風土記」賀毛郡・雲潤の里の地名起源説話に登場する水の神。
【奥つ城/奥墓】
【おくつき】
墓所のこと。 
【几】  【おしまづき/おしまずき】 

(おしまずき)とは、座った時に(ひじ)を置き、身体を楽に支えるための道具のこと。
脇几(わきづき)脇息(きょうそく)。 
ひじかけ。ひじおき。 

【遠近/彼方此方】  【おちこち/をちこち】 

遠くに近くに。
あちこち。あちらこちら。
ここかしこに。 

【意美豆努命】
 
【オミヅヌノミコト】
 
出雲の神。
国が小さかったため、海の彼方から余っている土地を綱で引き寄せ、縫い合わせて島根半島を創ったという『国引き神話』で知られている。
八束水臣津野命(ヤツカミヅオミヅヌノミコト)とも呼ばれる。
スサノヲの子孫でオオクニヌシの祖父に当たる。 
【朧け】  【おぼろけ】 

ぼんやりしていること。はっきりしていないこと。
あるいは、通りいっぺんで、いい加減なこと。
(江戸初期までは「おぼろ()」だったが現在は「おぼろ()」と(にご)る。) 

【澱】  【おり】  液体の底に沈んで()まったもの。沈殿物(ちんでんぶつ)。 
あるいは、心の底に溜まった想いを(たと)えて言う。 
 

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 ※この用語辞典は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  物語中に登場する古代用語日本神話に関連する用語などを解説したものです。
  用語の意味・語源などにつきましては諸説あるものもございますのでご注意ください
 
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