あぐねる
成し遂げられずに困ること。持て余し、嫌気がさすこと。
(あぐ)む」とも言う。
あどけない
無邪気なこと。無心なこと。悪気がないこと。
子どもっぽく愛らしいこと。
かつては同じような意味の言葉として「あどなしあどない)」という言葉もあった。
「あどけない」はその「あどなし」に「け(気)」の加わったものだとも、「他気(あだけ)なし」が変わったものだとも、「あどの気が無い」から来ているものとも言われている。
石組【いしぐみ/いわぐみ】
庭園に数個の庭石を配置し、美しい景色を造ること。
また、そうして造った石の組み合わせ・配置。
意匠【いしょう】
デザインのこと。
趣向(しゅこう)工夫(くふう)のこと。
一時【いちどき】
皆で同時に。一斉(いっせい)に。
皆一緒に。一度に。いっぺんに。
一顧だにしない【いっこだにしない】 
ちょっと振り返って見ることさえしない。
少しも注意を払わない。 
異を立てる【いをたてる】
反対意見を()べること。相手とは違う意見を言うこと。
異を唱えること。 
薄らぐ【うすらぐ】
薄くなること。
減っていくこと。
(痛みや苦しみなどが)軽くなること。
疎ましがる【うとましがる】
嫌がり、避けようとすること。
恭しく【うやうやしく】
丁重に。礼儀正しく。
遠祖【えんそ】
先祖のこと。遠い祖先。
おっとり
ゆったりと落ち着いている様子。
ちなみに「おっとり刀」の「おっとり(押っ取る)」とは意味が違う。
押っ取り刀【おっとりがたな】
大急ぎで()けつけた様子を「(こし)に差す()もなく急いで手に取った刀(=()()り刀)」に(たと)えて言う言葉。
押っ取る【おっとる】
急いで取ること。無理に取ること。力ずくで(うば)い取ること。
あるいは「取る」を強めて言う言葉。
「押し取る」の変化した言葉。
徐に【おもむろに】
ゆるやかに。ゆっくりと。物静かな様子で。 
折【おり】
機会。きっかけ。
(何かをするのに)ちょうど良い時。
神楽【かぐら】
神を(まつ)るため、神前で奏する舞楽のこと。
頑是無い【がんぜない】
(おさな)くて物事の善悪や道理(どうり)などが分からないこと。
ききわけがないこと。
分別(ふんべつ)をわきまえていないこと。 
機【き】
きっかけ。機会。
(何かをするのに)適した時。
あるいは、何かが起こる時。
糾弾【きゅうだん】
相手の罪を問い(ただ)し、()(とが)めること。
恐縮【きょうしゅく】
身が(ちぢ)まるほどに(おそ)()ること。
恐れ入るほどに相手に対しすまない・申し(わけ)ないと思う気持ち。
あるいは恐れ入るほどに感謝すること。
屈託【くったく】
くよくよと心配すること。悩み。
一つのことに囚われ、気にかかって仕方がないこと。
精気(元気)を失っていること。
謙遜【けんそん】
他人を(うやま)い自分を卑下(ひげ)して、(ひか)えめな態度で()()うこと。
殊更【ことさら】
わざと。わざわざ。改めて。故意に。
特別に。特に。 
公言【こうげん】
おおっぴらに言うこと。
(かく)さず、人々に知れ(わた)るよう公然と言うこと。 
高慢【こうまん】
おごり高ぶり、他人を(あなど)ること。高慢ちき。
(「慢」は「おこたること」「あなどること」「おごりたかぶること」などを表す漢字。)
悉く/尽く【ことごとく】
全部。みんな。一つ残らず。全て。
多くの物や事が例外なく同じ状態にあることを表す言葉で、語源は「事事(ことごと)」に副詞の接尾語「く」を添えたものだとも、「毎事(ことごと)」か「事事尽(ことごとつく)」あるいは「事毎来(ことごとく)」から来ているとも言われている。
渾然一体【こんぜんいったい】
(こと)なるもの同士が()け合い、()じり合って一つになっている様子。
混沌/渾沌【こんとん】
物事が()()じり、はっきりと区別がつかない様子。
「渾」は水が混じる・(にご)る様子、「沌」は水が(とどこお)り流れない様子を表す漢字。
左遷【させん】
官位・官職を現在より低いものへ落とすこと。
あるいはその上で遠方の地へ赴任(ふにん)させること。
「左」という字がつくのは、中国で「右」を尊び「左」を卑しいものとする習慣があったことから。
しおらしい
つつましやかで従順なこと。
控え目なこと。けなげなこと。
あるいは可憐、優美、上品であること。
舌を巻く【したをまく】
(おどろ)いて(あるいは感心して)言葉が出ない様子。
執拗【しつよう】
執念(しゅうねん)(ぶか)いこと。しつこくまとわりつくこと。
(かたく)なに(=頑固(がんこ)に)自分の思いを通そうとすること。
しどけない
身形(みなり)などがいいかげんで()まりがないこと。
だらしないこと。きちんとしていないこと。 
正気の沙汰【しょうきのさた】
正常(せいじょう)精神状態(せいしんじょうたい)での行動。
多くの場合「正気の沙汰でない」と打ち消しの言葉と一緒(いっしょ)に使われ、「正常な判断による行動ではない」ことを表す。
所作【しょさ】
身のこなしや()()いのこと。
梳く【すく】
髪の毛をとかすこと。((くし)などで)毛髪の乱れやもつれをほぐし、整えること。
詮議【せんぎ】
犯罪の取調べをすること。
物事を明らかにするために意見を交換し合い、相談すること。
造作無い【ぞうさない』
簡単なこと。面倒(めんどう)でないこと。
造作(ぞうさ)」とは手間(てま)のかかること、面倒なこと、お金のかかることなどを意味する。
増水【ぞうすい】
大雨などで河川などの水かさが増えること。 
矯めつ眇めつ【ためつすがめつ】
様々な角度からよく見ること。
()めつ(=曲げたり伸ばしたり)(すが)めつ(=片目を細めて物を(ねら)い見たり)で、物をよく見て確認しようとする様子。  
断罪【だんざい】
罪を断ずる(=決定する)こと。罪を(さば)き、判断を下すこと。
鍛錬【たんれん】
金属を(きた)え、()ること。
あるいは心身を鍛えたり技を磨いたりするため修行・訓練を積むこと。
鎮魂【ちんこん】 
魂を(しず)めること。
精神をしずめること。
あるいは、死者の魂を慰め鎮めること。 
束の間【つかのま】
ほんの少しの(あいだ)。しばらくの間。
築山【つきやま】
庭園などに設けられた人工の小さな山。
土砂や石などを使い、岩山などの景色に見立てて造る。 
鉄鉱【てっこう】
製鉄の原料となる鉱石のこと。
怒号【どごう】
(いか)(さけ)ぶ声。怒り叫ぶこと。
あるいは、怒り叫ぶように風や波が激しい音を立てている様子。
生業【なりわい】
暮らしを立てるための職業・仕事。
生業(せいぎょう)・家業。
あるいは、植物を栽培すること(農作)。
寝入り端【ねいりばな】
(ねむ)り始めたばかりの(ころ)のこと。
値踏み【ねぶみ】 
そのものの価値を()(はか)ること。
値段を見積(みつ)もること。  
罵る【ののしる】
相手を罵倒(ばとう)すること。相手を声高に(大げさに)非難し、悪口を言うこと。
鋼【はがね】
鉄を精錬して作られる、鉄(Fe)と炭素(C)の合金。
鉄より(かた)い反面、鉄のような柔軟性(じゅうなんせい)がなく、鉄よりも折れやすい。
日本刀の「刃」の部分によく使われ、その名の由来も「刃金」から来ていると言われている。
ちなみに日本古来の伝統的な製鉄法である「たたら製鉄(踏鞴吹き)」により作られる鋼を「玉鋼(たまはがね)」と呼ぶ。
(ただしその名は明治時代以降の呼称である。)
刷く【はく】
刷毛(はけ)や筆を動かして(眉墨(まゆずみ)白粉(おしろい)などの化粧(けしょう)を)()ること・つけること。
罵倒【ばとう】
激しく(ののし)ること。相手を声高に(大げさに)非難し、激しく悪口を言うこと。
非難【ひなん】
欠点や失敗、(あやま)ちなどを(とが)め、()めること。
平橋【ひらはし】
丸く()っていない(たい)らな橋。 
吹聴【ふいちょう】
言い()らすこと。
人々に広く言いひろめること。
風光明媚【ふうこうめいび】
自然の風景が清らかで美しく、人の心を()くこと。
山水(さんすい)(山と水とを(そな)えた景色)が(すぐ)れて美しいこと。
巫覡【ふげき/ぶげき】  
神に仕える人のこと。(かんなぎ)
巫は女、覡は男のこと。 
藤【ふじ】
マメ科フジ属の(つる)性の落葉樹。
(みき)の長さは10m以上で他のものに(から)みついて生長する。
4月〜6月頃に蝶形の花をつけた20〜90cmもの長さの花房を()れる。
花の色は紫・白・薄紅。
同じマメ科で黄色の花をつけるヨーロッパ原産の「金鎖(キングサリ)(英名:ゴールデン・チェーン)」が「キバナフジ」と呼ばれることもある。 
蔓の巻き方は一般的に上から見て時計回りだが、西日本に分布するヤマフジは蔓の巻き方が逆になっている。
不遜【ふそん】
謙遜(けんそん)が無く、思い上がっていること。
侮蔑【ぶべつ】
相手を(あなど)り、(さげす)むこと。相手をばかにして見下(みくだ)すこと。
本意【ほんい】
真意。本心。真実の思い。
本当の気持ち。 
まんじり
まどろむ様子。少し眠る様子。 
多くの場合、打消しの言葉と一緒に使い、少しも眠れなかった様子を表す。
満身創痍【まんしんそうい】
体中(からだじゅう)が傷だらけの状態。
あるいは、そのくらいひどくダメージを受けていること。
「満身」とは全身のこと。
創痍(そうい)」とは切り傷・手傷(=攻撃(こうげき)を受けて()った傷)のこと。
みすぼらしい
見た目が貧弱(ひんじゃく)なこと。
外見が(まず)しいこと。
語源は「身(すぼ)らし」あるいは「見窄らし」(「窄る」は「衰える・小さくなる」の意)から来ていると言われている。
無下に扱う【むげにあつかう】
情の無い扱い方をすること。冷酷(れいこく)に扱うこと。
こころない扱い方。なさけや思いやりの無い扱い方。  
胸を撫で下ろす【むねをなでおろす】
ほっとすること。安心すること。
滅入る【めいる】
憂鬱(ゆううつ)になること。心が晴れず、気分が(しず)むこと。
「滅入る」は「()()る」の変化したものとも言われ、「深く入り込む」「めりこむ」という意味で使われることもある。
揶揄/邪揄【やゆ】
からかうこと。
冗談を言ったりして困らせること。
人を言葉でなぶり苦しめること。 
由々しい/由由しい/忌々しい【ゆゆしい】
物事の程度が(はなは)だしい(=普通ではない)こと。
不吉なこと。()まわしいこと。
神聖で(おそ)れ多いこと。 
緩々と/緩緩と/緩る緩ると【ゆるゆると】
徐々(じょじょ)に。ゆっくりと。
あるいは、のびのびと。急がずに。(おだ)やかに。ゆったりと。
礫【れき】
小石のこと。  
連鎖【れんさ】
(くさり)のようなつながりのこと。
鎖のようにつながっていること。
何か一つのことが原因となり、鎖のように次々と物事が起こること(連鎖反応(れんさはんのう))。
業物【わざもの】
切れ味(切れ具合)の鋭い名刀のこと。
蟠り【わだかまり】
わだかまっている(=輪のような形で(かが)まり()がって動かないでいる、とぐろを巻いて動かずにいる)もののこと。
心の中で(とどこお)り、晴れずにいるこだわりや感情のこと。 
 
 ※この用語辞典は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  物語中に登場するやや難解な用語や語句などを解説したおまけページです。
  用語の意味が複数あるものなどにつきましては小説内で使われている意味に限定して説明している場合もありますのでご注意ください。 
 
用語解説一覧
 
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