<さ〜た行へ>
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直日神/直毘神【なおびのかみ/なほびのかみ】
(わざわい)や罪・穢れを直し(改め・祓い)、凶事を吉事に転換させる力を持つ神。
イザナギが黄泉(よみ)の国の(けが)れを落とすために阿波岐(あわき)の原で禊祓(みそぎはらい)をした際、落とした(あか)から「まがつひのかみ」を生んだ後、身についた(まが)を「直す」ために誕生させた神。 
中島【なかじま/なかのしま】 
池や川の中にある島。
特に寝殿造の庭園などに造られた。 
ナキサワメノカミ
イザナミを亡くし嘆き悲しんだイザナギが流した涙から生まれた女神。
和ぐ/凪ぐ【なぐ】
(荒れていたものが)穏やかになること。
気持ち・心が(なご)むこと。
直日神/直毘神【なほびのかみ】 
なおびのかみ」に同じ。
浪切領巾/切浪比礼【なみきるひれ】 
波をしずめる呪力を秘めた不思議な領巾(ひれ)
(つい)となる「浪振領巾(なみふるひれ)」という領巾も存在する。 
浪振領巾/振浪比礼【なみふるひれ】 
波を起こす呪力を秘めた不思議な領巾(ひれ)
(つい)となる「浪切領巾(なみきるひれ)」という領巾も存在する。
鳴神【なるかみ】
雷・雷鳴のこと。
古い時代、一般的には(いかづち)」の言葉が使われてきたが、歌の中に多く()まれてきたのは、この「鳴神」という言葉だった。
この「なる・かみ」が変化して現在の「かみなり」になったと考えられている。
丹【に】
朱色(しゅいろ)、あるいは朱色の顔料。
物を朱色に染める際、古代は赤土を使い、後に水銀と硫黄(いおう)の化合物(=丹砂(たんしゃ)あるいは辰砂(しんしゃ)と呼ぶ)などを使うようになった。
新嘗【にいなめ/にひなへ】
初稲を神に(ささ)げ、収穫を感謝する祭。
翌日には『豊明節会(とよのあかりのせちえ)』と呼ばれる宴会が(もよお)され、新穀(=その年に収穫した穀物)を食したり、五節の舞と呼ばれる舞を楽しんだりする。
現在でも勤労感謝の日には宮中で儀式が行われている。
香少女【におえおとめ/にほえをとめ】 
美少女のこと。香り((にお)い)立つような美しい乙女という意味。
和魂【ニギミタマ/ニギタマ】
神や精霊の魂が(おだ)やかに()いでいる状態。
賊【にしもの】
悪人。悪党。
日本橘【にほんたちばな】
ミカン科ミカン類の低木で、初夏に白い五弁の花をつけ、葉も花も良い香りを放つ。 
俄【にわか/にはか】
急に。突然。
すぐに。即座に。 
急に物事が起きたり、変化したりすること。
庭つ鳥【にわつとり】
その言葉自体で「ニワトリ」のことを指す場合と、枕詞(まくらことば)として「(かけ)」にかかる場合とがある。
「庭にいる鳥」という意味。 
射干玉【ぬばたま】
黒くて丸いヒオウギの種子のこと。(黒真珠などの黒い珠を言うという説もある。) 
むばたま、烏羽玉(うばたま)とも言う。
『ぬばたまの』は「黒」「夜」「夢」「夕」「月」「暗き」「今宵」「寝」などにかかる枕詞。 
濡れ漬つ【ぬれひつ】
びっしょりと()れていること。
ちなみに「(ひち)」だけでも「びっしょり濡れる」ことを表す。
願い【ねがい】 
神を(ねぎら)い、その心を(やわ)らげて加護を祈ることを『()ぐ』と言い、それが変化して『願う』という言葉になったと言われている。
ちなみに、神社の神職の一つ『禰宜(ねぎ)』も同じ語源から来ている。
祈言【ねぎごと】
ねがいごと。
根の堅洲国【ネノカタスクニ】
木の(うろ)から根の中を通ってたどり着く異世界。スサノヲノミコトが支配している。
黄泉の国と同一視されることもある。
寝屋/閨【ねや】
寝るための建物、あるいは部屋。
寝室。 
練絹【ねりぎぬ】 
()のままの絹糸(=生絹(すずし))と違い、灰汁(あく)で煮るなどの加工を(ほどこ)し、柔らかくした絹糸のこと。
またはその絹糸で織った布。 
背子【はいし/からぎぬ】 
上衣の上に着る(そで)が無く(たけ)の短い衣。唐衣。
ベストに似た形状で、色鮮やかな模様が描かれていたりする。
平安時代以降は袖がつけ加えられ、女子の正装として十二単(じゅうにひとえ)の上に着用された。 
褌【はかま】
古代の男性の下衣。
筒の太いズボンのような形で、(たけ)は足首くらいまであり、四角いマチが入っていたと言われている。
名称は「犢鼻褌」の略。
外出(旅)・労働・武装の際には(ひざ)の下を(ひも)で結んだ。 
佩く【はく】
太刀(たち)などを)(こし)につけること。
白銅鏡【はくどうきょう/ますみのかがみ】
(すず)と銅の合金で作られた銀白色の鏡。
黄櫨【はじ】
ヤマウルシの古名。
ハゼノキのこと。紅葉が見事なことで知られている。
「ハジ」は「はにし(=(はに)で色をつけること)」のなまったもので、その紅葉の色から名付けられたと考えられている。 
蓮【はちす/はす】
池や沼、水田などで栽培されるスイレン科ハス属の多年草。
葉は大きく円く、直径約60cmほどにもなる。
夏には白や紅色の花を咲かせる。 
蜂比礼【はちのひれ】
這う虫や飛ぶ虫を祓う、あるいはその虫の害を受けた際にそれを癒やす呪力を持つとされる領巾(ひれ)
古事記などでは「呉公(むかで)蜂之比礼(はちのひれ)」として登場する。
オオクニヌシがスサノヲに与えられた試練のうち、ムカデと蜂のいる部屋に入れられた時に使ったもの。
十種神宝(とくさのかんだから)のうちの一つ。 
花浪の神/花波神【ハナナミノカミ】
「播磨国風土記」に登場する神。
近江の国の水神だったが、播磨国・託賀郡の花波山(八千代村花宮)にやって来て鎮座した。社は貴船神社。
播磨国風土記・賀毛郡では、この神の妻が夫を追ってやって来たが、追いつけなかったためか、恨み怒って腹を割いて沼に落ちたと書かれている。 
埴【はに】
黄赤色の粘土(ねんど)のこと。
土器や瓦を作ったり、衣にすりつけて模様をあらわしたりした。
朱華色【はねずいろ】
『はねず』の花の色。
『はねず』は初夏に朱色の花を咲かせるザクロの花のことだとも、春に紅色の花を咲かせるニワウメ、あるいはその変種ニワザクラのこととも言われている。
色が()せやすかったことから、和歌の中では『(うつ)ろひ(やす)し』の枕詞(まくらことば)として使われる。
祝/祝人【はふり】
多くは、神主や禰宜よりも下級の神官のことを言う。 
広くは神に仕える職業の人間の総称。
速開都比売【ハヤアキツヒメ】
イザナギ・イザナミの二神の間に生まれた、川と海との境・水戸(みなと)(河口)を司る女神。
(はらえ)を司る「祓戸之大神」のうちの一柱。
川を(つた)い海に流れてきた罪や(けが)れ・災厄を「かか呑む」能力を持つ。
兄妹神であるハヤアキツヒコと結ばれ、河と海に関わる神々を生んだ。 
速佐須良比売【ハヤサスラヒメ】
根の国の底にいる女神。
(はらえ)を司る「祓戸之大神」のうちの一柱。
気吹戸(イフキド)」から根の国の底へ運ばれてきた罪や(けが)れ、災厄を持って流離(さすら)い、やがてどこかへ消し去る。
腸【はらわた】
臓腑(ぞうふ)のこと。
また、大腸の古称。
あるいは(腹腔内にある)内臓の一部。大腸・小腸などの総称。
「わた」は「回垂/輪垂(ワタル)」から来ているという説や「曲(ワタ)」から来ているという説、あるいはものの中に詰まっていることから「綿」から来ているとする説など諸説がある。
火色【ひいろ】
平安時代の色名。火の色を思わせる、黄色がかった明るい赤色。 
檜扇【ひおうぎ】
アヤメ科の多年草で、真夏に濃色の斑点のあるオレンジ色の花を咲かせる。
その種子は漆黒で丸くツヤがあり『ぬばたま(うばたま)』と呼ばれる。 
漢名:射干(しゃかん)。漢薬の「射干」はこの根茎を乾したもので、のどの病気などに用いる。
英名:ブラックベリー・リリー
漬【ひち】
びっしょり濡れること。
他動詞形「(ひたし)」(あるいは「(ひた)し」)は「常陸(ひたち)」という地名の語源になったという説もある。
王太子【ひつぎのみこ】 
日嗣(ひつぎ)御子(みこ)
王位継承権第一位の王子。次の国王になると定められている者。
日(太陽)あるいは()を継ぐ者、という意味。
東【ひむかし/ひむがし/ひんがし】
(ひがし)の方角のこと。
日向(ひむか)し』すなわち日の出に向いた方角という意味。
神籬【ひもろき/ひもろぎ】
屋外で祭祀をとり行う際に(もう)ける祭壇のこと。
現在では新築の建物を建てる際の地鎮祭(じちんさい)などで見ることができる。
(新築前の更地(さらち)注連縄(しめなわ)で結んだ四本の棒と、その中央に葉の生えた木が立ててあるもの)
領巾/比礼【ひれ】
『ひらひらしたもの』という意味を持つ、古代〜平安時代のファッション小物。
首や肩にかけるストール状の長い布で、主に女性が着用した。
呪術的な力が宿ると考えられていた。 
鞴/吹子【ふいご】
風を送り出すための器具。送風器。
金属の精錬などに用いられる。
足で踏む「踏みふいご」や、箱の中の空気をピストンで押し出す「箱ふいご」(あるいは「吹差しふいご」)などがある。
「踏みふいご」の大型のものは「たたら」と呼ばれる。
「吹皮(フキガワ)」→「フイゴウ」→「フイゴ」になったと言われている。 
不尽の山【ふじのやま】
尽きることのない山=永遠の山という意味を持つ霊峰(れいほう)。 
(※富士山の語源には諸説あります。)
布瑠部由良由良止布瑠部【ふるべゆらゆらとふるべ】 
神宝(かんだから)の力により奇跡を起こすために(とな)える「布瑠(ふる)(こと)」と呼ばれる言霊(コトダマ)の一部。 
○○部【○○べ】 
特殊技能(とくしゅぎのう)を持つ者たちの集団。
大化の改新以前に存在し、朝廷や豪族に(つか)え、自営的生活を(いとな)みながらその労力や、成果となる貢物を(ささ)げた。
あるいは、朝廷や豪族に隷属(れいぞく)する農民・漁民のこと。
その名(「部」の前につく言葉)には職能名や地名、豪族名などがつけられた。
大化の改新で公地公民制ができたことにより、解体された。 
別宮【べつぐう】
本宮に対して枝葉の関係にある宮・寺社のこと。
火口【ほくち】
火打ちで起こした火をうつし取るためのもの。 
星月夜【ほしづきよ/ほしづくよ】 
暗い夜、星の光がまるで月のように明るく見えること。
月は無いが星明りで明るい夜のこと。 
火床【ほど】
鍛冶(かじ)に使う簡易の()のこと。
歩揺【ほよう】
「歩くと揺れる」という意味の、ゆらゆら揺れるタイプの髪飾り・かんざし。
主に古代中国女性が身につけた。 
堀川【ほりかわ】
人の手によって掘られた川。 
人工の川。運河。 
 
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 ※この用語辞典は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  物語中に登場する古代用語日本神話に関連する用語などを解説したものです。
  用語の意味・語源などにつきましては諸説あるものもございますのでご注意ください 
 
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