- 背子【はいし/からぎぬ】
- 上衣の上に着る袖が無く丈の短い衣。唐衣。
ベストに似た形状で、色鮮やかな模様が描かれていたりする。
平安時代以降は袖がつけ加えられ、女子の正装として十二単の上に着用された。
- 褌【はかま】
- 古代の男性の下衣。
筒の太いズボンのような形で、丈は足首くらいまであり、四角いマチが入っていたと言われている。
名称は「犢鼻褌」の略。
外出(旅)・労働・武装の際には膝の下を紐で結んだ。
- 佩く【はく】
- (太刀などを)腰につけること。
- 白銅鏡【はくどうきょう/ますみのかがみ】
- 錫と銅の合金で作られた銀白色の鏡。
- 黄櫨【はじ】
- ヤマウルシの古名。
ハゼノキのこと。紅葉が見事なことで知られている。
「ハジ」は「はにし(=埴で色をつけること)」のなまったもので、その紅葉の色から名付けられたと考えられている。
- 蓮【はちす/はす】
- 池や沼、水田などで栽培されるスイレン科ハス属の多年草。
葉は大きく円く、直径約60cmほどにもなる。
夏には白や紅色の花を咲かせる。
- 蜂比礼【はちのひれ】
- 這う虫や飛ぶ虫を祓う、あるいはその虫の害を受けた際にそれを癒やす呪力を持つとされる領巾。
古事記などでは「呉公・蜂之比礼」として登場する。
オオクニヌシがスサノヲに与えられた試練のうち、ムカデと蜂のいる部屋に入れられた時に使ったもの。
十種神宝のうちの一つ。
- 花浪の神/花波神【ハナナミノカミ】
- 「播磨国風土記」に登場する神。
近江の国の水神だったが、播磨国・託賀郡の花波山(八千代村花宮)にやって来て鎮座した。社は貴船神社。
播磨国風土記・賀毛郡では、この神の妻が夫を追ってやって来たが、追いつけなかったためか、恨み怒って腹を割いて沼に落ちたと書かれている。
- 埴【はに】
- 黄赤色の粘土のこと。
土器や瓦を作ったり、衣にすりつけて模様をあらわしたりした。
- 朱華色【はねずいろ】
- 『はねず』の花の色。
『はねず』は初夏に朱色の花を咲かせるザクロの花のことだとも、春に紅色の花を咲かせるニワウメ、あるいはその変種ニワザクラのこととも言われている。
色が褪せやすかったことから、和歌の中では『移ろひ易し』の枕詞として使われる。
- 祝/祝人【はふり】
- 多くは、神主や禰宜よりも下級の神官のことを言う。
広くは神に仕える職業の人間の総称。
- 速開都比売【ハヤアキツヒメ】
- イザナギ・イザナミの二神の間に生まれた、川と海との境・水戸(河口)を司る女神。
祓を司る「祓戸之大神」のうちの一柱。
川を伝い海に流れてきた罪や穢れ・災厄を「かか呑む」能力を持つ。
兄妹神であるハヤアキツヒコと結ばれ、河と海に関わる神々を生んだ。
- 速佐須良比売【ハヤサスラヒメ】
- 根の国の底にいる女神。
祓を司る「祓戸之大神」のうちの一柱。
「気吹戸」から根の国の底へ運ばれてきた罪や穢れ、災厄を持って流離い、やがてどこかへ消し去る。
- 腸【はらわた】
- 臓腑のこと。
また、大腸の古称。
あるいは(腹腔内にある)内臓の一部。大腸・小腸などの総称。
「わた」は「回垂/輪垂(ワタル)」から来ているという説や「曲(ワタ)」から来ているという説、あるいはものの中に詰まっていることから「綿」から来ているとする説など諸説がある。
- 火色【ひいろ】
- 平安時代の色名。火の色を思わせる、黄色がかった明るい赤色。
- 檜扇【ひおうぎ】
- アヤメ科の多年草で、真夏に濃色の斑点のあるオレンジ色の花を咲かせる。
その種子は漆黒で丸くツヤがあり『ぬばたま(うばたま)』と呼ばれる。
漢名:射干。漢薬の「射干」はこの根茎を乾したもので、のどの病気などに用いる。
英名:ブラックベリー・リリー
- 漬【ひち】
- びっしょり濡れること。
他動詞形「漬」(あるいは「浸し」)は「常陸」という地名の語源になったという説もある。
- 王太子【ひつぎのみこ】
- 日嗣の御子。
王位継承権第一位の王子。次の国王になると定められている者。
日(太陽)あるいは霊を継ぐ者、という意味。
- 東【ひむかし/ひむがし/ひんがし】
- 東の方角のこと。
『日向し』すなわち日の出に向いた方角という意味。
- 神籬【ひもろき/ひもろぎ】
- 屋外で祭祀をとり行う際に設ける祭壇のこと。
現在では新築の建物を建てる際の地鎮祭などで見ることができる。
(新築前の更地に注連縄で結んだ四本の棒と、その中央に葉の生えた木が立ててあるもの)
- 領巾/比礼【ひれ】
- 『ひらひらしたもの』という意味を持つ、古代〜平安時代のファッション小物。
首や肩にかけるストール状の長い布で、主に女性が着用した。
呪術的な力が宿ると考えられていた。
- 鞴/吹子【ふいご】
- 風を送り出すための器具。送風器。
金属の精錬などに用いられる。
足で踏む「踏みふいご」や、箱の中の空気をピストンで押し出す「箱ふいご」(あるいは「吹差しふいご」)などがある。
「踏みふいご」の大型のものは「たたら」と呼ばれる。
「吹皮(フキガワ)」→「フイゴウ」→「フイゴ」になったと言われている。
- 不尽の山【ふじのやま】
- 尽きることのない山=永遠の山という意味を持つ霊峰。
(※富士山の語源には諸説あります。)
- 布瑠部由良由良止布瑠部【ふるべゆらゆらとふるべ】
- 神宝の力により奇跡を起こすために唱える「布瑠の言」と呼ばれる言霊の一部。
- ○○部【○○べ】
- 特殊技能を持つ者たちの集団。
大化の改新以前に存在し、朝廷や豪族に仕え、自営的生活を営みながらその労力や、成果となる貢物を捧げた。
あるいは、朝廷や豪族に隷属する農民・漁民のこと。
その名(「部」の前につく言葉)には職能名や地名、豪族名などがつけられた。
大化の改新で公地公民制ができたことにより、解体された。
- 別宮【べつぐう】
- 本宮に対して枝葉の関係にある宮・寺社のこと。
- 火口【ほくち】
- 火打ちで起こした火をうつし取るためのもの。
- 星月夜【ほしづきよ/ほしづくよ】
- 暗い夜、星の光がまるで月のように明るく見えること。
月は無いが星明りで明るい夜のこと。
- 火床【ほど】
- 鍛冶に使う簡易の炉のこと。
- 歩揺【ほよう】
- 「歩くと揺れる」という意味の、ゆらゆら揺れるタイプの髪飾り・かんざし。
主に古代中国女性が身につけた。
- 堀川【ほりかわ】
- 人の手によって掘られた川。
人工の川。運河。
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