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【かか呑む】  【かかのむ】  「かっかっ」と音を立てて飲み込むこと。 
【冠】  【かがふり/こうぶり/かむり】 

(かんむり)のこと。
「かがふり」→「こうぶり」に変化したと言われている。
また「カガフリ」は「(かがふ)り((かがふ)り)」で「頭などに(かぶ)る」ことを意味する。 

【鶏】 【かけ】 ニワトリの古い呼び名で、当時のニワトリの鳴き声とされてきた言葉からとられている。
(当時ニワトリは「かけ」あるいは「かけろ」と鳴くとされていた。) 
別名「庭つ鳥」。
【梯】  【かけはし】  梯子(はしご)のこと。 
【挿頭華】
【かざし】 挿頭草(かざしぐさ)
髪や冠などに花や枝などの植物を折って()すこと、またその挿したもの。
髻華(うず)とも言う。
神の()りつく神聖な植物を身につけることで、呪術的な加護を得るという。
【拍手/柏手】  【かしわで】 

神仏を(おが)む際、両の手のひらを打ち合わせて音を鳴らすこと。
現在、神社の参拝(さんぱい)は「二礼二拍手一礼」が一般的な作法(さほう)とされているが、現在の形に統一されるまでには様々な歴史的変遷があり、古くは四度打つのが正式だったとも言われている。
また、現在でも古来からの拝礼方法を用いている神社も存在し、出雲大社では「四拍手(しはくしゅ)」、伊勢神宮では「八度拝(はちどはい)八開手(やひらで)(拝を8回と拍手を8回)」という作法を行っている。 

【蘰】
【かずら/かづら】  巫女などが神事の際に頭に巻くハチマキ状の布。
巫女以外でも男女ともに正装ではこのハチマキ状の布を巻いていることが多く、身を守る護符のような役割を持っていたと考えられている。
ちなみに男子の場合は前額部に結び目があるものと、後頭部に結び目のあるものの2種類がある。 
【風切領巾/切風比礼】  【かぜきるひれ】 

風を止ませる(鎮める)力を秘めた不思議(ふしぎ)領巾(ひれ)
※風を切って進む力を持つ領巾(=帆)を言うとする説もある。
(つい)となる「風振領巾(カゼフルヒレ)」という領巾も存在する。 

【風振領巾/振風比礼】  【かぜふるひれ】 

風を起こす力を秘めた不思議(ふしぎ)領巾(ひれ)
(つい)となる「風切領巾(カゼキルヒレ)」という領巾も存在する。 

【堅香子】
【かたかご】  カタクリ(ユリ科多年草)の古い呼び名。
野山に生え、早春に紫色の花をつける。根から片栗粉(かたくりこ)が取れる。 
【勝間】  【かつま】 

目が(こま)かい竹籠(たけかご)のこと。
「かたま(堅間)」「かたみ」などとも言う。 

【作金者/金工】 【かなだくみ】 

金や鉄を細工(さいく)する人((たくみ))のこと。金属細工職人。 

【金山】  【かなやま】 

金山(きんざん)銅山(どうざん)など、鉱物を掘り出せる山のこと。鉱山(こうざん)。 

【頭槌大刀/頭椎大刀】  【かぶつちのたち/くぶつちのたち】  古代に作られた刀剣で、柄頭(つかがしら)玉葱(タマネギ)や拳の形に似たふくらみのある大刀のこと。 
【鍛冶】 
【かぬち/かぢ】
鍛冶(かじ)鍛冶師(かじし)
金属を打ち(きた)えて道具を作ること、あるいはそれを作る人。
金打(カナウチ)→カヌチ→カヂになったと言われる。 
【蒲】  【がま/かま】  淡水の湿地に生えるガマ科の多年草。
高さは約2mで、夏になると約20cmのロウソク型の花穂(雌花の集まり)をつける。 
その穂は干した後、蒲団(ふとん)の芯に使われたり、油を注いでロウソクの代わりに使われたり、綿毛状にしたものが火口(ほくち)に使われたりした。
雌花の上に方につく雄花の花粉は漢方の『蒲黄(ほこう)』として傷薬にされる。
因幡の白兎伝説では、皮を剥がれて赤裸になったシロウサギがオオクニヌシの助言に従い、蒲の穂を敷き散らした上で躯を転がすと、元の通り白い毛が生えてきたというエピソードがある。 
【鎌鼬】
【かまいたち】
小旋風の中心に真空ができ、これに人体が()れることにより、突然皮膚(ひふ)や肉が裂け、鋭利(えいり)な鎌で切ったような切り傷ができる現象。
信越地方に多く、「越後の七不思議」のひとつに数えられることもある。
別名・鎌風(かまかぜ)
昔は目に見えないイタチの仕業(しわざ)と考えられたため「カマイタチ(・・・)」の名で呼ばれる。
「カマイタチ」の「カマ」の語源は、切り傷が利鎌(とがま)(=鋭くよく切れる鎌)で切った(あと)のようであることから「鎌」とする説と、「風間(かま)(いたち)」という意味で「風間」とする説、太刀を「(かま)えて」()ったようであることから「カマ(・・)エル」の「カマ」とする説がある 
【蒲黄】
【かまのはな】  蒲の花穂のこと。
夏に茎の頂にビロードのような茶色のロウソク形の花穂がつく。
あるいはその花粉のことで、漢方などで薬として古くから使われる。 
【神さび】  【かみさび/かむさび】 

神々(こうごう)しいこと。神のように(とうと)いこと。
あるいは、古びること。
年月を()て神々しく、(とうと)くなっているように見えること。
「さび」は「○○らしく()()う」という意味の言葉。
「カミサビ」は「カムサビ」の変化したものと言われている。 

【神祇官】 【かみつかさ】 国の中央政府において神道に(たずさ)わる官僚。
【神宝】  【かむだから】  神の宝物(ほうもつ)。聖なる宝。 
あるいは神前に奉納する宝物。 
【神牀/神床】
【かむとこ/かんどこ】  王が神の託宣を受けるための神聖な場所。
ここにじっと座り続け、夢に神が顕れるのを待つ。 
【巫/覡】  【かむなぎ/かむなき】 

神に仕える人のこと。巫覡(ふげき)
神楽(かぐら)を奏して神を慰めたり、神意を伺うため神おろしをしたりする。
男を男巫/覡(おかんなぎ)、女を女巫/巫(めかんなぎ)・あるいは巫女という。
「かみなぎ」「こうなぎ」とも言う。
語源は「神和(カンナギ)」からきているとする説や、「神祈(カミノネギ)」からきているという説など諸説ある。 

【からかふ】  【からかう】 

冗談を言ったりして困らせること。
人を言葉でなぶり苦しめること。
語源は「絡む」の「カラ」と「する」という意味の「カフ」から来ているという説や、「絡逆(カラムサカラフ)」から来ているという説など諸説がある。 

【背子】
【からぎぬ/はいし】  上衣の上に着る(そで)が無く(たけ)の短い衣。唐衣。
ベストに似た形状で、色鮮やかな模様が描かれていたりする。
平安時代以降は袖がつけ加えられ、女子の正装として十二単(じゅうにひとえ)の上に着用された。  
【唐菓子】
【からくだもの/とうがし】
米粉や小麦粉などに甘葛(あまづら)や飴、蜂蜜などの甘いものを加え、油で揚げたり蒸したりなどして作る菓子。 
【迦陵頻】  【かりょうびん】 

雅楽の一種で、背に鳥の翼、頭に天冠、手に銅拍子(どびょうし)を持った四人の童子が舞うもの。
「迦陵頻」は「迦陵頻伽(かりょうびんが)」の略。

【迦陵頻伽】  【かりょうびんが】 

極楽や雪山などにいるとされる想像上の鳥。
美しい鳴き声を持ち、その姿は人の頭に鳥の体で描かれることが多い。
「カリョウビンガ」の名は梵語から来ており、「妙音鳥」「好声鳥」などを意味する。 

【勧請】
【カンジョウ】 別の場所にいる神を自分たちの元へと招き入れること。
【巫/覡】  【かんなぎ/かんなき】  かむなぎ」に同じ。 
【葱】  【き】  「ネギ」の古い呼び名。 
【衣褌】  【きぬはかま】  古代の男性のファッションスタイル。
上衣と(はかま)の組み合わせ。
(はかま)は江戸時代や現代の卒業式で見られるような(すそ)のひらひらした『(はかま)』とは違い、ズボンに似た形状をしている。 
【衣裳】 【きぬも】 古墳時代以降の女子のファッションスタイルの一種。
上衣と裳の、今で言うツーピース。
【品物比礼】  【くさぐさのもののひれ】  様々な悪鳥・悪獣や全ての妖を(はら)い、邪を退(しりぞ)ける呪力を持つとされる領巾(ひれ)。 
十種神宝(とくさのかんだから)のうちの一つ。
【櫛の匣】
【くしのはこ】  (くし)など髪を結うための道具や髪飾り、鏡や化粧道具を入れておくための箱。
昔のメイクボックス。
櫛笥(くしげ)唐櫛笥(からくしげ)玉櫛笥(たまくしげ)櫛匣(くしばこ)などとも呼ばれる。
(和歌などでは櫛笥(くしげ)と呼ばれ、散文の中では『くしのはこ』と呼ばれることが多い。) 
【久慈理】  【くじり】  古代東国方言で「クジラ」のこと。
【臭水/草生水】
【くそうず/くさうづ】
石油の古い呼び名。 
「くさみず」が変化して「くそうず」になったと言われている。 
古くから知られている産地は越後国(=新潟県)で、越後国の「草津」から出た水であることから「くさみず」→「くそうず」になったという説もある。
越後の七不思議」の1つに数えられる。 
【刳舟】 
【くりぶね】  複数の部品(パーツ)を組み合わせて造る船とは違い、一本の木を()りぬいて造った原始的な船のこと。 
【厨】
【くりや】  台所。 
飲食物を調理する場所。 
【明日/来る日】 【くるひ】 

明日(あした)・翌日のこと。
新しくやって来る日(・・・)のこと。 

【紅の八入/紅の八塩】
【くれないのやしお】  ベニバナで染めた非常に高価な赤色の名前。
紅はベニバナの異称で、八入の『八』は数えきれないほどたくさんの数を表している。 
【呉の実】
【くれのみ】 クルミのこと。
古代では油を()るために集められ、税の一つともなっていた。
【冠】  【こうぶり】  (かんむり)のこと。
かがふり」→「こうぶり」に変化したと言われている。
【五節の舞】
【ごせちのまい】   新嘗祭や大嘗祭に行われる少女の舞。
新嘗祭では四人の舞姫が大歌(おおうた)(=宮廷儀式で歌われる歌)に合わせて舞う。 
また、五節の舞姫には『五節(ごせち)童女(わらわ)』と呼ばれる童女が付き従った。
【胡蝶楽】  【こちょうらく/こてふらく】 

雅楽の一種で、背に蝶の羽根、頭に山吹の花を挿した天冠という姿の四人の童子が山吹の花の枝を持って舞うもの。
「胡蝶」は蝶の異称。 

【木霊】 【コダマ】 樹木の精霊。
【言霊】 【コトダマ】 言葉に宿る霊力。
あるいは、霊力の宿った言葉。
  【コノハナサクヤヒメ】  山神の娘で木の花の開花を司る女神。
コノハナチルヒメと対をなす姉妹神(※同一神とする説もある)。 
  【コノハナチルヒメ】 木の花の落花を(つかさど)る神。
山の神・大山祇神(オオヤマツミノカミ)の娘で、コノハナサクヤヒメと対をなす姉妹神(※同一神とする説もある)。
【五鈴鏡】
【ごれいきょう】  鈴鏡(れいきょう)の一種で、鏡の(ふち)に鈴が5つ付いたタイプ。
古代、東国の巫女が身につけていたとされている。 
 

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 ※この用語辞典は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  物語中に登場する古代用語日本神話に関連する用語などを解説したものです。
  用語の意味・語源などにつきましては諸説あるものもございますのでご注意ください
 
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