蛇足な解説ページ    
     
銀の匙杖の代用品
島ではレグナースが生まれると家族・親類などから銀の匙杖が贈られますが、男子にはそういうものがありません。
これは、レグナースは小女神宮で夢術を必須科目として教育されるのに対し、男子は夢術を義務として習う必要がなく、専ら遊びや個人的趣味として行うのみであることからそうなっているのですが、このため男子は自分にとって使い勝手の良い道具を銀の匙杖の代わりとして使っています。
夢雪を集めて発動させるという夢術の性質上、シャベルやデッキブラシ、箒など、夢雪をすくったりかき集めたりしやすい形の道具が好んで使われます。
ただし、夢雪に含まれる夢粒子は夢見る力に引き寄せられるという性質を持つため、意識を集中させれば単なる棒でも夢雪を集めることが可能です。
ちなみに、男子の場合でも、夢術のプロである『夢術師』になった場合には、夢術専用の杖を仕立てることになります。
夢見島住人の価値観 
夢見島では“夢を見ること”も一つの才能・能力としてとらえられています。
よって他人の夢を笑ったり馬鹿にしたりすることはありませんが、代わりに夢を見られない人間に対しては“夢を見る能力が無い(あるいは低い)”としてどこか同情的な目で見ます。
夢を見る能力と夢術の出来とが深く関係しているせいか、特に年齢が低いほどにその傾向は強くなっています。
ただし、この“夢を見る能力”は歳を重ねるにつれ失われていくというのが夢見島住人の一般的な見解であり、人々はこのことを肉体の老化と同じように受け入れています。
ただし、一般的に受け入れられている意見が必ずしも真実とは限らないわけですが…。
夢見島の男子教育 
島では、レグナースは強制的に小女神宮に集められ、決められたカリキュラムに従い教育を受けさせられますが、男子にはそういった教育機関がありません。
彼らが生きていく上で必要な知識は、家族や地域の人間、友人や仲間などから口伝のようにして教わっていくことになります。
とは言え、それだけでは足りない部分ももちろん出てくるので、それ以上の知識が欲しいということになれば、『記憶の森』へ行けば欲する知識を無料で調べることができます。子どものうちは誰でも夢術が使えるので、森から遠い集落の子どもでもそれほど時間をかけずに行き来することができます。森には島中の集落から人が集まって来るので、ここで別の集落の人間同士の交流が生まれることもよくあります。
自分がやりたいものに対する知識を自発的に学んでいるだけなので、島で勉強に対しネガティブなイメージを持っている男子はほとんどいません。
ちなみに、島の子どもたちは十歳になるまでは漠然と将来の夢を抱きながら家の手伝いや遊びの中で知識を吸収し、早いと十代前半から、遅くても十六、七歳頃には将来へ向けて行動を開始します。具体的には、なりたい職業の見習いや弟子となり、修行を始めるということになります。 
    
 
 ※このページは津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説ファンタジー小説「ユメノフルシマ」第1話夢見の島の眠れる女神
  ストーリーや用語に関する豆知識やこぼれ話・制作秘話などを蛇足に解説したものです。
  解説の内容につきましては資料等を参考にしてはいますが、諸説あるものもございますし、
  管理人の理解・知識が不充分である可能性もありますのでご注意ください。
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