ロンドン中心部、
「いらっしゃい。
「ライト・エールを
「やぁ。君も旅行者か?」
「ああ。
青年の視線の先には、つまらなそうな顔でプディングをつつく16、7才と7、8才と
「ああ。妻の実家がこっちでね。里帰りにつき合うついでに観光旅行というわけさ」
そう言いながら男は、何が
「パパお酒
「何を言う。旅行の楽しみと言ったら現地の
陽気に笑い
「これのどこが
二人兄弟の兄の方が
「ねぇねぇ、何で
「空っぽ、か……」
青年はくすりと笑い、腰に
「君にはただの
「えー?何それ」
弟は不思議そうに首を
「ほうほう!
「おぉ……夢と幻想に満ち
酔った男はそれをただの“物語”と信じて
「まぁ、物語の語り口としてなら面白いのかも知れないけどさ“異世界から来た旅人”なんて話、よくそんな
二人兄弟の兄の方はそう言ったきり、もう興味はないとばかりにグラスの中のサイダーを
「じゃあ、その瓶の中には
「こらこらエミル、無理を言ってお兄さんを
「じゃあ、あなたのおすすめのスタウトを」
男が酒を取りに席を立つと、青年はおもむろに首から何かを
「よく目を
言って青年は
「夢より
青年がスプーンの先を
弟は手を
「すごいすごい!本当に夢を
「……残念ながら、まだ、だな。いろいろ手段を
夕刻の酒の
「夢より
白銀の光が
「全て、俺に
青年は苦笑してその場に
「この先に……いるのか?」
やがて
そこは、
そして赤い野原の真ん中には、
その声に
「……信じてた。きっと、会いに来てくれるって」
「……ごめん。
「信じてた。でも、本当は、ずっと
青年は彼女の
「これで良かったんだ。この
「……私でいいの?だって、私はもう……」
「いいんだ。たとえもう現実では会うことができなくても。……夢の中なら
青年の答えに、彼女は泣き笑いのような顔で
「うん。あなたが世界中のどこにいたって、いつまでもずっと
「だったら、
その先を
その姿は別れた当時とまるで変わらない。むしろ青年の背が
「いいんだよ。いつか置いていかれるとしても、思い出は残るから」
そう言って、彼女は青年の顔をじっと見上げた。
「私ね、いろんな人の夢の中を
言って、彼女は
「この野原も、ここに
「……そうか」
短く答える青年の
「だから、思い出を
青年は返事の
「……会いたかった。長かったよ。
「うん……。そうだね。たったひとりで、見知らぬ世界で、大変なことがいろいろあったよね」
彼女は幼いままの手のひらで、大きな背中を優しく
「
その
「ただいま、ラウラ。……お前に話したいこと、見せたいものがたくさんあるんだ。俺がこれまでこの世界で見てきたもの、美しいと
ラウラは一瞬
「この世界は、思っていたより悲しい世界だった。でも、思っていたよりずっと