今回、物語中にロンドンのパブの描写が出てくるわけですが、ここでの店主とのやりとりは、実は小説向けにかなり簡略化されています。
ビール(エール)を「パイント」という単位でオーダーするのはそのままですが、実際は注文の際、種類だけでなく「銘柄」も一緒にオーダーするのが普通です。
(1杯なら「a pint of ○○/one pint of ○○」複数杯なら「△ pints of ○○」、たくさんの種類を少しずつ呑みたければ1パイントの半分サイズにして「a
half of ○○」と言った具合に(○○には銘柄名、△には数字)…)
とは言え、作者はエールの銘柄には詳しくなく(そもそも飲んだこともなく)、さらに「実在する銘柄を書くのもどうなのだろう?」ということもあり、物語中では単に種類の名前だけでのオーダーになっています。
パイの付け合せにしても、物語中では(展開のテンポ上)主人公が一方的にオーダーしていますが、実際には向こうから「○○と××、どちらにしますか?」などと訊いてきて、それに答えるというやりとりがあったりもします。
(ちなみに銘柄は何でもいいからとにかくパブで飲んでみたいという方は、エールやビターなどの種類の前に「Any」を付け「Any ○○ please」と注文すれば、向こうが適当なオススメを出してくれるのだそうです。
ただし、これをやるとすぐに「おのぼりさん」とバレてしまうため、黒板に書かれた「今日のビール」やらドラフトの取っ手に付いたプレートやらの銘柄名を眺め、「迷っているフリ」をした後、おもむろに「Any…」と切り出すのが「ツウ」なのだとか。)