ヤーコプ・グリムとヴィルヘルム・グリムの兄弟が語り伝えられてきた昔話や文献から編んだ童話集。
原題は『グリム兄弟によって収集された子どもと家庭の昔話』。
1812年のクリスマスに初版第一巻が刊行され、以降半世紀にわたり版を改めるたびに、加筆訂正および新たに話を加える・逆に話を削除するなどがされてきた。
生前最後に出されたのは1857年の第七版で、200話の昔話と10話の「子どもの聖者伝」が収められた。
話が新たに加えられたり、逆に削除された理由は、兄弟が昔話を収集し続けていたために新たな話が採用されていったからと、性にまつわる話・残酷だと非難された話が削除されていったため。
また、初版に対し「語り口に飾り気がない」などの批判があったため、情景描写・心理描写が詳細になり、さらに会話表現が多くなるなどの加筆訂正がなされた。
さらに第二版では末弟で画家のルートヴィヒによる扉絵が付けられ、以降さまざまな画家により挿絵が付けられるようになった。