虫には一般的に知られた名の他に、いくつかの異名を持つものがあります。
今回はそんな虫たちの和風で素敵な異名・別称をいくつかご紹介していきます。(「昆虫」だけでなく「カタツムリ」などの身近な生き物も一緒にご紹介します。)
(虫の説明の下の ・ で箇条書きになっているものがその虫の異名・別名(あるいは古称・旧称)です。)
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- 揚羽蝶【あげはちょう】
- 日本在来種の蝶。
- 阿菊虫【おきくむし】(アゲハ蝶の幼虫。枝に一本の糸で吊られる様子が『播州皿屋敷』の「お菊」に似ていることから。)
- 唐蝶【からちょう】(中国から来た蝶と思われて。)
- 鳳車【ほうしゃ】
- 脚長蜂【あしながばち】
- スズメバチ科のハチ。脚は元々長いが、中・後肢を下げて飛ぶため、さらに長く見える。
- あしっつるし(埼玉・秩父地方の方言)
- 足吊るし【あしつるし】
- 虻【あぶ】
- ハエ目中の一群の昆虫の総称。
- すがる(ジガバチ、ジバチ、鹿の異称でもある。)
- 蟻地獄【ありじごく】
- ウスバカゲロウ類の幼虫の呼び名。
- 後じさり【あとじさり】(アリを捕まえ巣に引きずり込む様子が後ずさりしているようであることから。)
- 後びさり【あとびさり】(「後じさり」と同じ意味。)
- 擂鉢虫【すりばちむし】
- てっこはっこ(埼玉・秩父地方の方言。)
- 蚕【かいこ】
- カイコガの幼虫。成虫になる際に作る繭から絹糸がとれる。
- おこさま(埼玉・秩父地方の方言)
- おしら
- 桑虫【くわむし】
- 夏蚕【なつご】(夏に飼育する蚕の呼び名。二番ご。)
- ぽぽ様【ぽぽさま】
- 蜉蝣/蜻蛉【かげろう】
- カゲロウ目。広くはアミメカゲロウ目を含む昆虫の総称。
トンボに似た昆虫で、透明な翅を持つ。名前の由来は、飛ぶ様子が「陽炎」のように見えることから。
- 朝顔【あさがお】
- かぎろう
- 青?【せいふ】(漢名。(「ふ」の字は虫へんに夫))
- ?【ひおむし】(漢字は虫へんに秀。)
- 甲虫/兜虫【かぶとむし】
- コガネムシ科の甲虫。
- 鬼虫【おにむし】
- 源氏虫【げんじむし】(関東での呼び名。クワガタムシを平家と呼んだことに対して。地域によってはクワガタをゲンジと呼ぶこともある。)
- 皀莢虫【さいかちむし】
- 螳螂【かまきり】
- カマキリ目カマキリ科の昆虫の総称。学名の「Mantis」は預言者を意味するギリシャ語から。
- 疣毟【いぼじり/いぼうじり】(「いぼむしり」の転。)
- 疣つり虫【いぼつりむし】
- 疣虫【いぼむし】
- 疣むしり【いぼむしり】
- おがみ虫(獲物を狙う動作が祈りを捧げているように見えることから。)
- カマギッチョ/カマギッチョウ(「カマギッチョ」は埼玉・秩父地方では「カナヘビ」「トカゲ」を意味することもある。)
- 鎌虫【かまむし】
- とうろう
- 蠅取虫【はえとりむし】
- 螽?【きりぎりす】
- (漢字の2文字目は虫へんに斯。)バッタ目キリギリス科。
- ぎす
- 螽斯【しゅうし】(漢名。)
- 機織女【はたおりめ】
- 蟋蟀【こおろぎ】
- バッタ目。
- 歌螽斯【うたきりぎりす】
- 蛩【きょう】
- 螽斯【きりぎりす】(平安時代にはコオロギのことを「きりぎりす」と呼んだ。)
- 秋蛩【しゅうきょう】
- ちちろ虫【ちちろむし】
- 綴刺【つづれさせ】(鳴き声が「カタサセ、ツヅレサセ(肩刺せ綴れ刺せ)」と聞こえることから。)
- 筆つ虫【ふでつむし】
- 絡緯【らくい】(コオロギの漢名。)
- 似我蜂【じがばち】
- ジガバチ科の蜂の一種。また、ジガバチ科の蜂の総称(アナバチも含む)。
- ?螺【から】(「か」は虫へんに「果」。)
- 腰細蜂
- すがる(アブ、ジバチ、鹿の異称でもある。)
- 鈴虫【すずむし】
- コオロギ科。
- 金鐘児【きんしょうじ】
- 月鈴子【げつれいし】(鈴虫の声を「月から鈴の音が聞こえる」と形容したことから。)
- 月鈴児【げつれいじ】
- 蝉【せみ】
- セミ科。「ツクツクボウシ」については別項目。
- 寒蝉【かんぜみ/かんせん】(秋の末に鳴く蝉。ツクツクボウシまたはヒグラシの古称とも推察されている。)
- 斉女【せいじょ】(斉の皇后が国王と対立した後に亡くなり、悔しさを訴えるためにセミになり大きな声で鳴いているという中国の伝説から。)
- 夏蝉【なつぜみ】(夏に鳴くセミの呼び名。主にニイニイゼミを指すが、広くはアブラゼミなども含む。)
- 蝶【ちょう】
- チョウ目の昆虫。ちょうちょ。
- 綾蝶【あやはびら】(沖縄方言。模様のある美しい蝶の意。)
- かわひらこ
- 胡蝶【こちょう】(漢名。)
- 蝶【はびら】(沖縄方言)
- 夢見鳥【ゆめみどり】
- 夢虫【ゆめむし】
- つくつく法師/寒蝉【つくつくぼうし】
- 「セミ」の一種。名前は鳴き声が由来。
- おおしんつく(埼玉・秩父地方の方言)
- クツクツボウシ
- 筑紫恋し【つくしこいし】
- 法師蝉【ほうしぜみ】
- 蜻蛉【とんぼ】
- トンボ目。
- 秋津【あきつ】
- えんば(「重羽(えば)」から。のちに「やんま」に変化。)
- 蜻蛉【かげろう】(古名。)
- 蜻蛉【せいれい】(漢名。)
- とんぼう
- やんま(「えんば」が変化したもの。大型のトンボの名に使われる。)
- 蛍【ほたる】
- ホタル科の甲虫。特に、夜間に光を点滅させながら飛ぶものを指す。
- 救火【きゅうか】
- 挟火【きょうか】
- 拠火【きょか】
- くさのむし
- 腐草【くちくさ】(草が腐って蛍になるという故事から。)
- 景天【けいてん】
- 宵燭【しょうしょく】
- 丹鳥【たんちょう】
- ほたろ
- 夏虫【なつむし】(夏に出る虫の総称・あるいは夏の夜の灯火に集まる虫の呼び名でもある。)
- 夜光【やこう】
- 蚯蚓【みみず】
- 環形生物。
- 蚯蚓【きゅういん】(漢名。)
- 赤竜【せきりゅう】
- 地竜
- めめず(西日本方言。)
- <関連項目>
※このページは津籠 睦月によるオリジナル和風ファンタジー小説「花咲く夜に君の名を呼ぶ」の本文ページ内に隠された、本編と関係がありそうで無さそうな細かな和風ファンタジーの雑学・豆知識や大和言葉の意味などをご紹介する「おまけコーナー」です。
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