オレンジやシトロンなど、冬の寒さに弱い地中海や南国の果樹を育てるために造られた施設。
オレンジ温室。
温室の原型と言われている。
15世紀のイタリアに始まり、ヨーロッパ各地に広まった。
多くは南側に大きな窓を持ち、鉢植えにした果樹を火などであたためた。
フランスのヴェルサイユ宮殿にもこの施設があった。
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17世紀末〜18世紀にかけてはイギリスでもイングリッシュ・ガーデンの装飾として流行し、白塗りで大きなガラス窓を持つ瀟洒な新古典様式のオランジェリーが造られた。
(その後、産業革命により鋳鉄とガラスを使った工法が発達すると、オランジェリーよりも大きな板ガラスや曲面ガラスを用いた「ホット・ハウス(hot house)」や「グラス・ハウス(glass house)」などと呼ばれる温室が登場する。)