たくさんの人を抱えて走る
電車という この金属の箱が
たまらなく不思議に思えることがある
知らない人同士
言葉も交わさない人同士
同じ箱の中に詰め込まれて
同じ時間と空間を共有している
見ず知らずの他人だけど
偶然 同じ車両に乗り合わせた人たちの
知るはずもない人生のことを
ふと気まぐれに想像してみたりすることもある
何も思わなければ ただの移動時間だけど
窓の外の風景を
いちいち綺麗だとか好きだとか思っていれば
それは ちょっとした“旅行”に変わる
学校や会社までの移動手段だとしても
その車窓風景を
楽しんではいけない、などという法は無いから