【コトバのラクガキArchives】

“報われない”のは、世の中のせいと言うより…

頑張っても報われないのは
「そういう世の中だから」と言うよりも、
その中に生きる一人一人の人間が
原因なのだと思う

どんなに努力しても報われないのは
ヒトが他人の努力に関心を持っていないからだ

血のにじむような努力をしても評価されないのは
ヒトが口では努力を賛美しながらも
本当はこれっぽっちも、
努力に価値を置いていないからだ

そうして他人の努力には目も向けず
下手すると、その存在にさえ気づきもしないくせに
自分の努力に関しては「報われるべきだ」と信じ
その努力に見合った分の見返りがもらえないと
「こんな世の中はおかしい」と騒ぐ

そうだね。
こんな世の中はおかしい。

どんな努力も結果が伴わなければ無意味だなんて、
汗水たらして頑張るより
ラクしてチートに生きる方が素晴らしいだなんて、
そんな風に誰かの努力を嘲笑うのは、
まるで自分で自分の尊厳を踏みにじっているみたいだ

きっと他人の努力を馬鹿にした分、
この世界での“努力の価値”は下がっていく

自分のしてきた努力だけは他人の努力と別物だなんて
都合の良過ぎる幻想だ

自分がさんざん踏みつけにして汚してきたソレから
自分だけは逃れられるだなんて
何を根拠に言えるのだろう

きっと人間の努力や苦労の価値を決めるのは
同じ時代を生きる人間たち自身だ

世の中が報いをくれないのではなく、
人間が人間に報いを与えてくれないんだ

そのカラクリに気づけたのなら、
きっと、報われる世の中だって創れるはずなのに…