世界や他人の心を疑って生きなければならないのは
とても辛いことだ。
とても生き辛いことだ。
他人の悪意を疑えば、きりがないし、
怖くて一歩も動けなくなる。
だけど、他人の悪意を疑わずに
生きていけるような世界でもない。
他人の悪意を疑わずにいられないとしたら、
それはきっと、その人がそれまでの人生の中で、
それほど沢山の悪意に
他人から悪意を浴びせられたことのない
苦労知らずのお姫様が、
他人を疑わずにいられるのなんて当たり前だ。
他人の中に悪意が存在することを知っていて
他人を信じられるような人間は、
世の中に一体どれくらいいるのだろうか。