コトバのラクガキ

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この景色を見るためだけの人生だって…

どんなにゲーム機の映像処理能力が進化しても、
どんなにテレビで高精細の美しい風景を映し出せるようになっても、

自分で外に出て、草を踏みしめて、風を浴びて、
空を見上げるのには(かな)わない。

あの、世界に包み込まれている感覚。

あの、果てしなく大きく丸い空に、
()み込まれてしまいそうな、おそれ。

景色が心を震わせ、心を救うことだってある。

あの夕景の中に立つと、ときどき思うのだ。

哲学的な、人生の目的や意義なんかどうだっていい、
この景色を見るためだけに生きていたっていい。
この景色を見るためだけに生きているのだとしても構わない……って。

 

  

 
  
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