【コトバのラクガキArchives】
寓話の存在意義が忘れられた時代
北風と太陽の話なんて
大概の人間が知っているだろうに
どうして現実では北風な手段ばかりが
とられているのだろう
もしかしたら皆、本当は
北風に意味がないことなんて知っていて、
それでも旅人に
冷たい北風を浴びせて
無意識に楽しんでいるのかも知れない
あたたかな太陽を浴びせてあげるのを嫌がって
コートを脱がせるという目的さえ忘れ、
ただ北風を吹き浴びせることに
快感を覚えて酔ってしまっているのかも知れない
あるいは最初から目的なんて本当はどうでも良くて
他人への攻撃を正当化するための何かさえあれば
それで良いと思っているのかも知れない
結局、果たすべき目的は“おいてけぼり”で
大切なことは何ひとつ解決せずに
時間も心も