言葉は心を伝えない。
見ず知らずの他人じゃなくて
何年もともに過ごしてきた友人相手にすら、
まともに伝わらない。
相手はこちらの送った言葉に
別の意味を読み取って――読み違えて、
見当違いの返事をよこしてきたりする。
それは心の差異ゆえだ。
心が違うから、同じ言葉でも
そこから読み取る情報が違ってしまうんだ。
ガマンを美徳としたところで、
口にしなければ誰にも苦しみを分かってもらえない。
けれど、苦しみを口にしてばかりいれば、
己を醜く見せてしまうばかり。
人生って本当にバランスが難しい。