オレンヂ色の灯の束(たば)が わっと咲いて 通り過ぎて行った。
黒い夜の中。
走る電車の硝子(がらす)の外。
世界の真理は、 きっと、この世界の様々な場所に埋(う)まっている
あるいは電車の吊り革の上にゆらめいていたり 風に溶けて頬をすり抜けていったりする
本や学説の中を探さなくても この世界を素直にじっと見つめていれば ふと何かに気づけることはあるよ