コトバのラクガキ

【コトバのラクガキArchives】

 
 
 TOPもくじコトバの風景スケッチ > このページ

秋の匂い

秋の匂いは、キンモクセイの匂い。 
風に乗って遠くから届く、 
甘く、頭に残る匂い。 

秋のかたち。

ざぁっと枯れ葉が散って、
 ばらばらと降ってきた。
 視界を埋め尽くすくらいに。

舞い散る紅葉(こうよう)に囲まれて、
秋の景色に閉じ込められて、
 あまりにも幸せな刹那だった。

これが、秋。
(fall)のかたち。

寂しい夕暮れに、孤独に立つ鉄塔は

薄暮の中、
 淡くライトアップされた東京タワーは
 哀しいほどに美しく、ぽつんとそびえ立っていた。
 今日は、月が赤い。

静寂の夜と、その外側に在るもの

もう、秋なのだった。
淡く星の浮かぶ静かな夜。
鈴をふるわせたような虫の()ばかりが満ちていて、
かなしくなった。 
こんなに静かで美しい夜の外で、
世の中には恐ろしいことばかり起きているから。

 

  

 
  
このページはポエム・ブログ「コトバのラクガキ」のバックアップ用アーカイブ・ページです。
 
 オリジナル小説サイト「言ノ葉ノ森」のサイト内に格納されています。

inserted by FC2 system