自分の仕事にプライドを持っている人というのは、
きっと、仕事に対して愚痴を言ったり
不満を言ったりする人間のことが
生理的に許せないのだろう。
その思考回路は、何となくだけど“推測”できる。
仕事に対して一生懸命な人だからこそ、
他人のそういうグチや不満が
「甘え」に聞こえて不快に思ってしまうのだろう。
だけど世の中、
自分の就きたい職業に就いている人ばかりじゃない。
仕事にやりがいやプライドを
見出している人たちばかりじゃない。
それに、そんな愚痴や不満も、
本気で言っているとは限らない。
ある種の愚痴や不満は、時に、
仲間と同調するための
“コミュニケーション・ツール”だったりするから。
似たような立場にいる誰かと
「お互い大変だよなぁ」なんて言い合って、
小さな不幸を笑い合って、
束の間の一体感や連帯感を味わって満足するための、
ほんの“言葉遊び”だったりすることもある。
だから、そんなささやかな愚痴や不満を、
本気で否定したりなんかしたら、
「空気が読めない」と
冷めた目で見られてしまうかも知れない。
“言葉”にどんな意味を籠めるかは、人それぞれ。
頭から否定する前に、
その言葉が果たして、
自分が思っている通りの意味で使われているのか、
一度吟味してみる必要があるんだ。