【コトバのラクガキArchives】

安上がりで極上の幸せ

世の中、こんなにも不満を抱えている人が多いのは
たぶん、自分より“上”の生活を
簡単に知ることのできる時代だから、
というのもあるのかも知れない

自分より良いモノを着て　良いモノを食べて
良い家に住んで　良い生活をしている
そんな人々の毎日を
簡単に知ることのできる時代だからかも知れない

同じ人間なのに、一方は幸せで満たされていて
自分は全く報われない日々を
送っているように思うからかも知れない

だけど、一見うらやましく思えるようなソレは
本当に自分が心から欲しいと望んでいるものなのかな

自分が“持っていない”ものにばかり囚われて
自分が今“持っている”ささやかな幸せを
忘れて、見逃してしまうのは、
不幸なことなんじゃないかな

子どもの頃、心から好きだったモノたちは
お金が無きゃ手に入らないようなモノだったっけ？

幸せなんて結局は心次第だから
前向きな心ひとつ持ってさえいれば
簡単に幸せを感じられたりするのにな

今だって自分は
風の温度ひとつ　木の葉の色ひとつ
空の模様ひとつで幸せになれる
近所の小道にノラ猫さんを見つければ
憂鬱な通勤時間だって　ちょっとほっこりできる

とても安上がりな幸せ。
でも、そんなささやかな幸せたちが、
結局は人生を上向きにさせてくれている気がするんだ