誰に認められなくても、
自分の生んだ物語を、
決して、価値の無いものと
見放したりはしない。
誰からも評価されなくても、
自分だけはそれを認め、
大事に想うだろう。
認められなかった、その理由を
自分の力不足のせいと、
嘆くことはあったとしても。
人は皆、一人一人違うから
理解してもらうには技術が要る。
文章なんて、そもそも
そこから意味を読み取られなければ
単なる文字の羅列に過ぎないんだ。
自分が“物語に込めたかった何か”を、
上手に他人に伝えられる能力が無ければ、
認められるどころか、分かってももらえない。
だけど、
もし誰の心にも届かなかったとしても、
自分がそこに込めようとした想いは
嘘なんかじゃないから
生んだ本人が否定するようなことはしない。
だから、生みの親に力が無いばかりに
日の光を浴びられない自分の
何度も「ごめんね」を言いながら
ただ黙々と、次の言葉を紡ぎ続ける。
いつか、誰かの心に届く日を夢見ながら
技術と経験を積み重ねていく。