実力が無いということを思い知らされるのは、苦しいことだ。
だけど、運や他人の気まぐれのせいで報われないのよりはマシだ。
だって、運や他人の心はどうにもできない。
どんなに努力して実力を身につけたところで、
運や他人のせいで報われないのだとしたら、
立つ瀬なんか
ただ優れたものを創りさえすれば
無条件に受け入れられるのだと、
無邪気に信じていられた
あの頃の自分がうらやましい。
実際には、その“優れたもの”の定義さえ、
人間次第で左右されて
定まらないものなのに。
価値観の多様化は、
時にどこまでも残酷だ。