目立ちたくない。
浮き上がりたくない。
他人より優れることが、何になると言うのだろう。
たとえ一時は自尊心を満足させられたとしても、次の瞬間には
「それで周りから何をもらえるわけでもない」ことに気づいて
空しさに凍えるばかりなのに。
ただ、子どもの頃の
自分の中には、今にも壊れそうな
どんな困難も不敵に笑って愉しもうとする強気な自分と両方いて、
矛盾して、バランスがとれなくて、
自分でもどっちがどっちだか分からなくなることがある。
物狂おしい焦燥が胸の内を暴れまわっているのに、
心のどこかで自分が囁くんだ。
「でも、楽しんでいるんだろう?」って。