ファンタジーな豆知識

イギリス紅茶の時間(1日のスケジュール)

紅茶の国イギリスでは、1日のうちに何度も紅茶を飲む時間が存在します。

午後の紅茶(アフタヌーン・ティー)は日本でも有名かと思いますが、それ以外にも朝から晩まで紅茶の時間が存在するのです。

今回はそんな「イギリスの紅茶の時間」を朝から晩まで順番に、簡単にご紹介します。

アーリーモーニング・ティー【Early Morning Tea】/モーニング・ティー【morning tea】(目覚めのお茶)
 
朝目覚めた後あるいは朝食前に飲む紅茶のことです。
ベッドの中で飲むことも少なくなく、ビスケットを2〜3枚添えて飲むこともあります。
18世紀初頭に上流階級では起き抜けにベッドの中でチョコレートを飲む習慣があり、それが紅茶に代わったのが起源だとも言われています。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は以下の通り。
  • アッサム
  • イングリッシュ・ブレックファースト
  • アイリッシュ・ブレックファースト
  • クィーン・メアリー
  • セイロン
  • ダージリン
  • オレンジ・ペコー
 
ブレックファースト・ティー【Breakfast Tea】/モーニング・カパ【morning cuppa】(朝食時のお茶/朝のお茶/朝に味わう一杯の紅茶)
 
文字通り、朝食の際に飲むお茶のことです。
この朝食時のお茶は、特大サイズのカップになみなみと紅茶を注いで飲む人が多いそうです。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は以下の通り。
(元来は朝食時の紅茶と言えば中国茶のキーマンなどが飲まれていたそうです。)
  • アッサム(特にベーコン・エッグなどのイギリス式朝食に合うと言われています。)
  • イングリッシュ・ブレックファースト
  • アイリッシュ・ブレックファースト
  • クィーン・メアリー
  • セイロン
  • ダージリン
  • オレンジ・ペコー
 
イレブンズィズ【Elevenses/Elevensies】/イレブンズ【Elevens】/ミッドモーニング・ティー【mid-morning tea】(11時のお茶)
 
昼食前の一休みに飲む紅茶(またはコーヒー)のことです。
ビスケットなどの軽食を一緒に摂ることもあります。
(アメリカではモーニング・コーヒーブレイク【morning coffee break】あるいはモーニング・コーヒー【morning coffee】に当たります。)
イギリスやヨーロッパ諸国では昼食を午後1時頃に摂ることが多く、午前中の休憩としては11時頃が頃合いとされているのです。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は以下の通り。
  • セイロン
  • ダージリン
  • オレンジ・ペコー
  • ドゥーアーズ
  • ドラゴンムーン(ダージリンとアッサムのブレンド) 
     
ティー・ブレイク【Tea Break/Tea-Break】
 
仕事の合間に一休みしながら飲むお茶のことで、前述の11時のお茶や、午後は3時頃または4時頃に飲むお茶のことです。
(1回なら「tea-break」、1日に2回飲めば複数形で「tea-breaks」になります。また、会社で飲むお茶は「office tea」と呼んだりもします。)
 
アフタヌーン・ティー【Afternoon Tea】(午後の紅茶)
 
午後4〜5時の間に軽食を摂りながら飲むお茶のことです。
(上流・中流階級では5時頃が伝統でしたが、最近の傾向として一般では4時頃になっているようです。)
紅茶と一緒に食されるのはサンドイッチやスコーン、手作りのケーキやビスケットなどで、後述のハイ・ティーとは異なり肉料理は出さないのが原則となっています。
労働者階級で4時頃に飲まれるアフタヌーン・ティーのことは「フォーオクロック・ティー【four o'clock tea】(4時のお茶)」と呼んだりもします。
また、そのフォーオクロック・ティーに対し、上流・中流階級で伝統的に飲まれる5時のお茶を「ファイブオクロック・ティー【five o'clock tea】」と呼んだりもします。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は以下の通り。
  • アール・グレイ
  • キーマン
  • オレンジ・ペコー
  • ダージリン
  • セイロン
  • ラプサン・スーチョン(中国茶に属するお茶で、インド茶等に比べると薄く出るという特徴があります。)
  • チャイナ・ブラック
 
ティー・タイム【teatime/tea time】
 
イギリスでは通常、午後のお茶の時間帯をこう呼びます。
アフタヌーン・ティーが飲まれる午後4〜5時頃、ハイ・ティーが飲まれる午後6時〜6時半頃を指します。
 
ハイ・ティー【High Tea】/ミート・ティー【meat tea】/ナイフアンドフォーク・ティー【Knife-and-Fork Tea】
 
午後6時〜6時半頃に料理を食べながら飲むお茶のことで、「軽い夕食」とも言うべきものです。
その時間から「シックスオクロック・ティー【six o'clock tea】」とも呼ばれます。
仕事から帰って疲れた労働者階級の人々が、早めの夕食としたことから始まったとされる習慣で、19世紀の産業革命と共に発展したと言われています。
このお茶の時間には、ローストビーフやスモークハム、ローストチキンやサーモン、ニシン、卵や肉などのパイ、各種サンドイッチ、バター付きパン、ティーブレッド、スコーン、クランペット、マフィン、ティーケーキ、チップス、サラダ類、デザートの果物などが食されました。
ハイ・ティーの名は栄養価が高いことから来ていて、逆にアフタヌーン・ティーは栄養価が低いことから「ロウ・ティー【low tea】」と呼ばれたりします。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は「アフタヌーン・ティーに好まれるお茶」と同じです。
 
ナイトキャップ【Nightcap】/イブニング・ティー【evening tea】/ナイト・ティー【night tea】(就寝時のお茶/夜間のお茶)
 
「ナイトキャップ」は通常は就寝直前に飲むアルコール類を指しますが、アルコール以外のホットドリンク類を指すこともあります。
この夜間のお茶の際には、ビスケットなどのほんの軽いものを一緒に摂る場合もあります。
 
この時間に好まれる(適した)お茶は以下の通り。
  • アール・グレイ
  • ラプサン・スーチョン
  • ガンパウダー(中国産の緑茶の一種)
  • ノンカフェイン(あるいはカフェインの少ない)ハーブ・ティー
 
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※このページは津籠 睦月によるオリジナル・ファンタジー小説「夢の降る島」の第1話「夢見の島の眠れる女神」夢見の島の眠れる女神(小説ロゴ)の本文ページ内に隠された、本編と関係がありそうで無さそうな細かなファンタジー雑学・豆知識をご紹介する「おまけコーナー」です。

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