ファンタジーな豆知識

虹の七色と音楽の関係性

日本では一般的に、虹は「赤・橙・黄色・緑・青・藍・紫」の七色だと言われていますが、実は虹の色の数はアメリカ・イギリスでは6色、ドイツでは5色というように、世界の国・地域により定義が分かれているのです。

虹の色を7つと定義づけたのは、科学者のニュートンだと言われています。
彼はプリズムによってできた虹の色を「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階に当てはめて7つとしたそうです。

科学と音楽と言うと、現代では全くジャンルの違う学問のように感じられますが、かつて中世ヨーロッパにおいて音楽は、大学で教養科目として必須だった「自由七学科」のうちの一つ、しかも算術や幾何学、天文学と並ぶ「理数系四科目」のうちの一つでした。
音楽はただ演奏するだけのものではなく、理論を学び世界の真理を解き明かすための「学問」として研究されていたのです。

音楽と科学との結びつきは、古くはギリシャの哲学者ピタゴラスにまで遡ります。
彼は「世界の根源は数である」とし、世界に存在する全てのものには整然とした秩序「調和(ハルモニア)」があり、それは数の比によって表すことができると考えました。そして音楽の協和音程が非常に単純な数比に還元できることに注目し、音楽は数学と深いところで結びついていると結論づけたのです。

この考えが、やがて「天体の音楽」という宇宙観・音楽観へと発展していきました。
「天体の音楽」とは、宇宙全体が数理的な秩序をもった「音階」になっていて、宇宙は星の動きによって人間の耳には聴き取れない神の国の音楽を奏で続けている、という考えです。

実際、惑星運動についての三法則「ケプラーの法則」を発見したことで有名なドイツの天文学者・ケプラーもまた、この「天体の音楽」という中世的な宇宙観・音楽観を継承していました。
彼は著書「宇宙の調和」において、「惑星の音階」を具体的に楽譜化しています。
彼は、土星と木星はバス、火星はテノール、地球と金星はアルト、水星はソプラノというように、各惑星がそれぞれの音域に振り分けられ、それらの惑星が奏でるハーモニーが宇宙に鳴り響いていると考えたのです。

ちなみに「赤・橙・黄色・緑・青・藍・紫」の七色と「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の七音との関係性はインド起源の「ヨガ」においても語られています。
ヨガでは体の中心線上に心と体を司る7つのエネルギー・スポット「チャクラ」が存在すると言われていますが、その7つのチャクラにそれぞれ「赤・橙・黄色・緑・青・藍・紫」の色と「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音が一つずつ当てはめられているのです。


※このページは津籠 睦月によるオリジナル・ファンタジー小説「夢の降る島」の第1話「夢見の島の眠れる女神」夢見の島の眠れる女神(小説ロゴ)の本文ページ内に隠された、本編と関係がありそうで無さそうな細かなファンタジー雑学・豆知識をご紹介する「おまけコーナー」です。

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