フランスのお城や宮殿に関する用語をカンタンにまとめたミニ事典です。
<現在制作中です。用語や説明は今後増える可能性があります。>
- グランタパルトマン(表御座所)
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貴人の表向き(接客用)のアパルトマン。
御寝の間、警護の間、控えの間など、複数の部屋で構成される。
絶対王政下において、国王は起床から就寝までを全て儀式≠ノ仕立て上げ、そのスケジュールに貴族たちを参加させていた。
さらにはそんな貴族たちに飲物や食物を提供する部屋や、共にビリヤードを楽しむための部屋、賭け事をする部屋までが(ルイ14世の時代の)ヴェルサイユのグランタパルトマンにはあった。
体面を重んじたルイ14世は、宮殿の品格を落とすとして、隙間風を防ぐための衝立や、窓から強い西日が入ってくるのを遮るためのブラインド、トイレをグランタパルトマンに設置することを許さなかった。
そのため居住性は悪く、隙間風と、天井が高くて室温が上がりにくいことにより、厳寒の冬の朝は国王の寝室でさえ水が凍ったと言われている。
- グランデキュリ(大厩舎)
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乗馬用の厩舎。
厩舎は他に挽馬用のプティデキュリ(小厩舎)があり、2つ合わせて2500頭の馬と500台の馬車を収容、4000名の職員が住んでいた。
- グラン・トリアノン(大離宮)
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ルイ14世の命でヴェルサイユ宮の庭園内に造られた離宮。
公的な生活に疲れた王の憩いの場として使われた。
- ドンジョン(天守塔)
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特別頑丈に造られ、最も強い防禦力を持つ、城の中心となる塔。
日本の城の「天守閣」に当たる。
城が戦争のための砦≠ニしての性格を持っていた頃には、これが城の中央にひときわ高くそびえ立っていた。
多層建築で、中には城主一家や召使いたちの住まいや礼拝堂、穀物倉などがあり、地下には牢も設けられた。
フランスでは「ドンジョン」と呼ばれるが、イギリスでは「キープ」と呼ばれる。
居住性には欠けていたため、世情が安定すると防御機能より居住機能が中心の建築へと移り変わっていった。
- パルテール(毛氈花壇)
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植物を組み合わせて幾何学模様や刺繍文様、アラベスク文様などを作った花壇。
フランス式庭園などでよく見られる。
英語では「パーテア」。
- プティデキュリ(小厩舎)
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挽馬用の厩舎。
乗馬用のグランデキュリと建物の規模は同じ。
- プティ・トリアノン(小離宮)
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ルイ15世が愛妾のためヴェルサイユ宮の庭園内に造らせた離宮。
- ロジュマン(宿舎)
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アパルトマンを与えられない貴族が宮殿内の住居として与えられる、一般的に2室しかない狭い宿舎。
ヴェルサイユ宮殿では母屋の南側と北側にある「翼屋」に造られていた。
約1000名の有力貴族と、その従者あわせて約3000名以上がここに詰め込まれていた。
アパルトマンやロジュマンに住まない(住めない)その他の貴族たちは、ヴェルサイユの町の分譲地に住宅を造るか、町の宿屋に2〜3室の部屋を借りて暮らし、そこから宮殿に通っていた。
(そのため、かつて村だった頃には数軒の宿屋しかなかったヴェルサイユに、17世紀末には120軒もの宿屋ができていた。また、宮殿住まいの貴族の従者や、外国からの使節、宮殿に陳情に訪れる人などもこれらの宿屋に宿泊した。)
<関連ページ>
※このページは津籠 睦月によるオリジナル・ファンタジー小説「夢の降る島」の第1話「夢見の島の眠れる女神」の本文ページ内に隠された、本編と関係がありそうで無さそうな細かなファンタジー雑学・豆知識をご紹介する「おまけコーナー」です。
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