ミルクティー
【milk tea】

クローバー(罫線)

ミルクを入れた紅茶のこと。

紅茶の国イギリスではレモンティー派(lemon-taker)よりミルクティー派(user of milk)が多数を()めていると言われている。

 またミルクと紅茶の入れる順番に対するこだわりが強く、ミルクを紅茶の前に入れるか後に入れるかによりミルク前派(milk-firster)ミルク後派(milk-laster)に分かれている。

このミルクと紅茶の順番は「最も議論を呼ぶテーマ」であり「ひとつの家庭においても二派に分かれ得る問題」であるとイギリス人作家オーウェル(George Orwell)は()べている。

そのため茶席でお茶を注ぐ係の人(tea server)は、各人に「砂糖はいくつか」や「ミルクかレモンか」等を()いた後、最後に必ず「MIF(Milk In First) or TIF(Tea In First)?」すなわち「ミルクが先か、紅茶が先か?」を確認することになっている。

ちなみに一般大衆にはミルク前派が多く、上流階級にはミルク後派が多いと言われているが、その理由については、ミルクを先に入れることによりカップの底に茶渋(ちゃしぶ)がつくのを防げることから、自分でカップを洗う立場にあるか、メイドなど他の者に洗わせる立場かが影響していると推測されている。

紅茶にミルクを入れることを好む理由としては、紅茶の中のタンニンとミルクの中のカゼインが結合することにより、タンニンの持つ収斂性(しゅうれんせい)が消え、紅茶の風味コクが増すということが言われている。

ミルクティーに適した紅茶の種類としては、セイロン・ティーアッサム・ティーイングリッシュ・ブレックファースト・ティーアイリッシュ・ブレックファースト・ティーダージリンキーマンなどが()げられている。

紅茶にいつ・なぜミルクを入れるようになったのかには諸説ある。

そのうち一つは、イギリス紅茶の歴史上、当初は紅茶を「薬」と受け止めていたことから、たまたま「薬」としてミルクを入れてみたら「おいしかった」ので入れるようになったというもので、17世紀後半の文献には「ミルク入り紅茶を飲むと胃腸の痛みや下痢(げり)()く」という記述が残っている。

 
 
 

このページは津籠 睦月によるファンタジー小説魔法の操獣巫女エデン「魔法の操獣巫女エデン」の物語内に登場する用語やその由来などを紹介するミニ辞典です。
  
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