魔法巫女エデン

 
Episode2:My 愛犬 is like a 王子様<10>

〜ワタシノワンコ、マルデオウジサマ〜

 次に目を()けた時、エデンはリビングのソファに横たえられていた。
 
 身体(からだ)の上には丁寧(ていねい)にブランケットがかけられている。
 そして(かたわ)らには……
 
「……レトっ!?どうしたの!?青ざめ汗
 
 元の服装(ふくそう)(もど)ったレトが、ソファにもたれかかるように(すわ)ったまま、ぐったりと目を()じていた。
 
大丈夫(だいじょうぶ)です。消耗(しょうもう)した力を回復(かいふく)させるための(ねむ)りに()いているだけですよ」
 
 エデンの声に答えたのは、室内にいたマイカだった。
 
「アンバーのことですから、初心者のエデンお嬢様(じょうさま)たちに対しても、ほとんど手加減(てかげん)ナシで“魔法(まほう)”を使わせまくったのでしょう?……だから、いつも言っているんです。あなたも少しは手を()くことを(おぼ)えた方がいい、と」
 
 そう言ってマイカが()り返った先には、テーブルの上に古新聞(ふるしんぶん)を広げ、むっつりした顔でイガの中から(くり)を取り出しているアンバーの姿(すがた)があった。
 
「……だから『(おれ)適役(てきやく)ではない』と言ったのだ。だいたい、(わる)いのは俺ではなく、ほんの十数回魔法を連発した程度(ていど)でスタミナ切れする新入りのスペックの方ではないのか……?」
 
「……アンバー。スネて悪口を言うより、素直(すなお)(あやま)った方が好感度(こうかんど)は上がりますよ」
 
 エデンから見れば(おこ)ってイライラしているようにしか見えないアンバーに対し、マイカは(こわ)がる素振(そぶ)りも見せず、まるで駄々(だだ)っ子に言うことを聞かせようとする母親のように優しく(さと)す。
 
「……しかし、スタミナ切れは(たし)かに(いた)問題(もんだい)ですね。初心者ですので仕方(しかた)がなくはあるのですが……」
 
 マイカが思案(しあん)(ぶか)げにつぶやいたその時、ふいにドアを開けてひょこり、と顔を出した者がいた。
 
「なぁなぁ、それならさー、()()(ばや)く二人でデートとかしたら良くない?」
「……アズライト。お前、いつからそこにいた?」
 
 アンバーの()いは無視(むし)し、ルリコンゴウインコという別の姿(すがた)を持つ契約の獣(エンゲージド・ビースト)・アズライトはヒョコヒョコと部屋の中に入って来る。
 
「魔法の力をレベルアップさせたいならさー、二人の(きずな)を深めるのが一番だし。だったらデートして(たが)いのことを知るのが一番っしょ」
 
 あっさり言われたその単語の意味(いみ)を、エデンの(のう)認識(にんしき)するまでには若干(じゃっかん)タイムラグ(よう)した。
 
「デ……デ……デ……、デートぉぉっ!?赤面汗
 
 ()くしてエデンの(はつ)デートは、本人の心の準備(じゅんび)充分(じゅうぶん)恋心(こいごころ)(そだ)たないまま、なし(くず)(てき)決行(けっこう)されることとなってしまったのだった。

Episode2End
 
 
<続きは準備中です(フレーム有版なら続きをお読みいただけます。)>
 
Episode2−110
 
  このページは津籠 睦月によるラブコメ・ファンタジー小説 「魔法の操獣巫女(マジカル・ビーストテイム・シャーマン)★エデン」の
シンプル・レイアウト(デコレーション・モードLV2)版です。
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シンプル・レイアウト版は用語解説フレーム版より後に制作しているため、ストーリーが若干遅れています。
 
 
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