自家不和合性
同じ木の花粉同士では受精が起こらないという性質のこと。
サクラもこの性質を持っているため、自家受精できず、他の木からの花粉をもらわなければ実をつけることができない。
四季桜【シキザクラ】
10月頃から咲き始め、4月に最も花を開くサクラ。
ヒガンザクラの園芸品種。
「十月桜」とも呼ばれる。
地主桜【じしゅざくら】
京都・清水寺近くの「地主神社」に咲くサクラ。
一重と八重が一緒に咲く珍しい種類のサクラ。
811年、嵯峨天皇がこの地主神社へ行幸した際、境内のサクラのあまりの美しさに惹かれ、3回も牛車を引き返させた上、それ以来毎年、サクラの枝を宮中に献上させるようになり、このことがそれまで「花と言えば梅」だった日本人の意識を「花と言えばサクラ」に変えさせるきっかけになったと言われている。
枝垂桜【シダレザクラ】
ウバヒガンザクラの変種で、枝が垂れ下がるという特徴を持ったサクラ。
開花時期はソメイヨシノより早い。
花の色は普通は淡紅白色。紅色のものは「ベニシダレ」と呼ぶこともある。
八重咲きのものもある。
芝桜【しばざくら】
ハナシノブ科の多年草で、花の咲く形がサクラに似ていることからこの名で呼ばれる。
原産は北アメリカで、欧米では芝の代わりに植えられることもある。
荘川桜【しょうかわざくら】
岐阜県・御母衣(みぼろ)のダム計画で沈むことになった荘川村の2つの寺から、水没する村の思い出のために200m上の山の中腹(現在の御母衣湖畔の国道沿い)に移植された2本のサクラの木。
ともに樹齢400年と言われている。
松月【ショウゲツ】
サクラの品種のひとつ。
実をつけないサクラ。
シリエージョ/チリエージョ【ciliegio】
イタリア語でサクラのこと。
サクラの花のことは「フィオーレ・ディ・シリエージョ(fiore de ciliegio)」。
シロヤマザクラ
ヤマザクラの一種。
中部から西日本にかけて分布する。
神代桜【じんだいざくら】
山高神代桜」のこと。
墨染桜【すみぞめざくら】
上野岑雄(かみつけのみねお)が友人である関白太政大臣・藤原基経(もとつね)が亡くなったのを悲しんで詠んだ「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」(『古今和歌集』)という歌を名の由来とするサクラ。
京都洛南の「墨染(すみぞめ)」という地名はここから来ていると言われている。
スリーズ【cerise】
フランス語でサクランボのこと。
セレーサ【cereza】
スペイン語でサクランボのこと。
セレージャ【cereja】
ポルトガル語でサクランボのこと。
セレッソ【cerezo】
スペイン語でサクラ(の花)のこと。
染井吉野【ソメイヨシノ】
現代において最もポピュラーな一重咲きのサクラの品種。
東京駒込・染井村の植木職人が江戸時代後期に発見したと言われる園芸品種で明治以降に全国に爆発的に広まった。
当初は「吉野桜」の名で売り出されたが、奈良・吉野山のサクラと紛らわしいため後に「染井吉野」と命名された。
移植しやすく、生育も開花も、花が散るのも早い。
めしべが退化し実ができないため、自生することができず、接木や挿木により殖やされる、いわゆる「クローン桜」。
そのため全国どのソメイヨシノも同じ遺伝子、同じ性質を持ち、そのことから開花予想や開花宣言の標準木としても使われる。
そのルーツはエドヒガンとオオシマザクラの雑種とする説が有力だったが、最近の研究ではソメイヨシノにはサクラの野生種の遺伝子がエドヒガン47%、ヤマザクラ11%、オオシマザクラ37%、不明5%の割合でブレンドされていることが分かり、そのことからソメイヨシノはオオシマザクラとヤマザクラとの交雑種とエドヒガンとの間にできたとする説が出てきている。
寿命は100年程度と言われている。
ソメイヨシノのクローン性研究
1990年代から始まった、ソメイヨシノのクローン性をDNAを調べて確認する研究。
初期はフィンガープリント法が、現在ではDNA内のSSRを比較する方法が用いられているが、改めて同じ遺伝子を持っていることが確認されている。
 ※この「さくら用語解説辞典」は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  おまけページで、サクラに関する用語を集め、解説しているものです。
   解説の内容につきましては資料(映像資料・文献・新聞記事)等を参考にしてはいますが、諸説あるものもございますし、
  管理人(←歴史の専門家ではありませんので)の理解・知識が不充分である可能性もありますのでご注意ください
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