飛鳥山【あすかやま】
江戸幕府8代将軍・徳川吉宗が1000本以上のサクラを植えて作ったサクラの名所。
庶民の不満解消のための娯楽として「花見」を推奨し、将軍自ら花見の宴を催してアピールした。
また、飲酒・歌・踊りを容認し、これにより現在の花見のスタイルが作られたと言われている。
アメリカシロヒトリ
サクラを害する虫の一種。
幼虫は夏場に現れ、初期は枝に絹糸を張って巣を作り群生するが、後には分散して単独行動する。
防除法としては、巣に幼虫が群生している時期に枝ごと切り落として焼き殺すか、食葉性害虫用の殺虫剤を散布する。
アレロパシー
他感作用。
特定の植物が葉(樹冠)や幹、根などから化学物質(他感物質)を放出し、自分自身や周囲の植物の生育に影響を与える作用のこと。
サクラもこの作用を起こすため、長年サクラを育てていた土地では新しくサクラを植えても育ちにくく、サクラは連作に向かないと言われる。
合色目【あわせのいろめ】
平安時代以降の配色の基本形式「重色目(かさねのいろめ)」の一種で、(あわせ)の衣類の表地と裏地の色の組み合わせを示すもの。
十二単(じゅうにひとえ)のように何枚も重ね着する際の配色は「襲色目(かさねのいろめ)」と呼ばれることもある。)
装束(しょうぞく)の色の組み合わせや、懐紙(かいし)料紙(りょうし)など調度(ちょうど)にも使われた。
その種類は200種を超え、四季折々の植物や自然にちなんだ配色や命名がなされている。
「桜」の名のついた合色目(あわせのいろめ)は以下の通り。
石割桜
岩手県盛岡市にあるサクラの巨木。
盛岡地方裁判所構内にある推定樹齢360年の白色のヒガンザクラ。
巨大な花崗岩の割れ目に根を張っていることからこの名で呼ばれる。
国指定天然記念物。
一葉【いちよう】
サクラの品種のひとつ。
実をつけないサクラ。
早晩山【いつかやま】
サクラの品種のひとつ。
八重咲きで白色の花を咲かせる。
厭地【いやち】
同一作物を連作することにより、病害虫の多発や作物の生育不良が起こり、収穫量が少なくなること。
ウリ科、ナス科、エンドウなどの作物に起こりやすいが、サクラでも起こる。
サクラの「厭地」はアレロパシーによるもの。
連作障害。
磐余稚桜宮【いわれのわかさくらのみや】
時期外れに咲いたサクラの名を取って名付けられた宮の名。
日本書紀(履中紀)によると、履中天皇と妃が冬の11月6日に舟遊びをしていた際、盃にサクラの花弁が散ったため不思議に思い、物部長間胆連(もののべのながまいのむらじ)に命じて探させたところ、(現御所市室の)室山でそのサクラを見つけてきて献上したため、その名を宮の名とし、物部長間胆連の名も稚桜部造(わかさくらべのみやつこ)と改めた、とある。
櫻桃【インタオ】
中国語でサクランボのこと。
桜桃紅【インタゥホン】
中国の色名。サクランボのような暗い赤。
櫻花【インホア】
中国語でサクラ(の花)のこと。
ヴィーシニァ
ロシア語でサクランボのこと。
鬱金【ウコン】
サトザクラ系のサクラの品種の一つで黄花の代表品種。
鬱金の桜【うこんのさくら】
山梨県奥昇仙峡の金櫻神社境内にある鬱金色のサクラ。
現在あるものは6〜7代目。
ヴィシニョーヴイ・ツヴェート
ロシア語でサクラ(の花)のこと。
雨情枝垂【ウジョウシダレ】
サクラの品種の一つ。
実をつけないサクラ。
鷽【うそ】
本来はサクラの害虫を食べてくれる益鳥だが、山に餌が不足すると、ふくらみ始めたサクラの花芽を大群で食い荒らすため害鳥として論議になることもある。
ウメシロカイガラムシ
サクラを害する虫。
枝に固着して着生し、樹液を吸収して害を与える。
春に孵化した幼虫が樹皮の上を歩き回って定着し、ワックスを出して体の表面を白い介殻(かいがら)(おお)う。
時には枝や幹が真っ白になるほど着くこともある。
サクラの他は梅、桃、木犀(もくせい)、ネズミモチなどに着く。
サクラの中では八重桜に多く発生する。
防除法としては、幼虫が動き回る5〜6月に、まずタワシなどである程度掻き落とした後、乳剤を散布する。
江戸彼岸【エドヒガン】
ヒガンザクラ群に属するサクラの野生種の一つ。
野生種には珍しく、花が咲いている時期に葉が無いのが特徴。
桜桃【おうとう】
「さくらんぼ」のこと。
食用の「さくらんぼ」のなる「西洋実桜(せいようみざくら)」のこと。
あるいは中国原産の「シナミザクラ(中国桜桃)」。
サクランボはビタミン・ミネラルが豊富で、中国の古い薬物書には顔色を良くし「美人をつくる」食べ物として書かれている。
紀元前200年頃に書かれた『爾雅(じが)』では「楔」が桜桃(鶯桃)の木として登場する。
(「鶯桃」は赤くなったサクランボが美しい鶯に突かれたことを由来とした名で、さらに「鶯」と「桜」が同じ音であったことから「桜桃」とも言われるようになったと古代の文献に記述されている。)
日本のサクラになる実は食用には向かず、さらに品種によってはそもそも実をつけないものもある。
桜皮【おうひ】
サクラの樹皮。
生薬として用いられ、咳止め、去痰作用がある。
大島桜【オオシマザクラ】
ヤマザクラ群に属するサクラの野生種の一つ。
伊豆諸島に自生し、大きく純白の花が特徴。高木性で花には香りがある。
葉は桜餅によく使われる。
オクヤマザクラ
ヤマザクラの一種。
北海道から九州まで、日本列島一帯に自生する。
開花時期はシロヤマザクラより半月遅い。
 ※この「さくら用語解説辞典」は津籠(つごもり) 睦月(むつき)によるオリジナル・ファンタジー小説花咲く夜に君の名を呼ぶ(古代ファンタジー小説)
  おまけページで、サクラに関する用語を集め、解説しているものです。
   解説の内容につきましては資料(映像資料・文献・新聞記事)等を参考にしてはいますが、諸説あるものもございますし、
  管理人(←歴史の専門家ではありませんので)の理解・知識が不充分である可能性もありますのでご注意ください
 さくら用語辞典
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