現代の刃物(包丁)などは機械で打ち延ばし、1本どころか数本を数時間で作ることもあるようですが、全て手作業で行う刀作りはそういうわけにはいきません。
以前ドキュメンタリー番組で見た刀匠の方は、一本の日本刀を三人がかりで三ヶ月かけて作っていました。
鋼を火で熱しては打ち延ばし、打ち延ばしては折りたたみ、さらに打ち延ばし…そうして12回以上折りたたむことで厚さ1cmの金属の中に4000以上もの層ができあがり、それが刀の地肌の模様となって表れるのだそうです。
また、一人前の鍛冶職人となるまでも相当な年数が必要で、弟子入りから5〜6年はひたすら木炭や炉についての基礎技術を学ぶ修行の日々、それから自分で刀を打てるようになっても一人前と認められるにはさらに5年近くの年月が必要なのだそうです。
物語中の真大刀は鍛冶の郷に暮らす少年ということで、物心ついた時から鍛冶場に出入りして様々な物事を見聞きしている・さらには現代より大分寿命の短い古代の設定ということで、相当に若いうちから大刀を打つことを許されていますが、現在は天才ながらもまだ一人前未満の修行中の身で、早く凄い名刀を打てるようになって皆に認められたいと思っているという、そんなイメージで描いています。