古代と言っても、弥生時代には既に様々な金属製品が使われていました。

日本史の教科書でもおなじみの祭器である銅鐸(どうたく)や銅矛(どうほこ)、様々な形をした銅鏡、肘につけるアクセサリーと言われている銅釧(どうくしろ)などの青銅器、そして実用的な斧(おの)・剣・矛(ほこ)・鏃(やじり)・刀子(とうす)などの鉄器です。

これら金属製品は当初は中国や朝鮮半島など大陸から輸入されていましたが、弥生時代前期の終わり頃には小型の品を中心に国産の鉄器が作られ始め、後期には本格的に国産化が始まったとされています。

古墳時代に入ると金属工芸はさらに発達し、大陸からもたらされた様々な金属工芸品が日本独自の形で発展していきました。

日本全国にある古墳からは、様々な金属製品が出土しています。

身分の高い人物が身につけていたであろう金製や銀製の耳飾や指輪、腕輪、釧(くしろ)（肘につける腕輪）、帯金具。
金銅製の冠帽や沓(くつ)、鞍(くら)や鐙(あぶみ)などの馬具、珍しいものでは青銅製の熨斗(ひのし)（現在で言うアイロン）などもあります。