「奇跡の行使者」。
エスリヴェールの世界に予め組み込まれている“奇跡”のシステムを実際に起動した者の呼称。
その奇跡は、単なる偶然や幸運というレベルのものではなく、
魔術でも治癒できない怪我を回復させたり、災害等により失われた自然を元に戻したり、
時には死者を生き返らせることすら可能とされている。
ただし、その行使には厳格な資格と、叶えたい奇跡の規模に応じた代償が求められる。
「奇跡の行使者」は浮遊城のとある機関により、数十年〜百年に一人の間隔で選定される。
選定の基準は主に精神の高潔さや寛容さ、純粋さなど。
“奇跡”の行使は生涯に一度きりしかできず、行使した後には肉体のどこかに奇跡の行使者の証が刻まれる。
ちなみにこの“奇跡”のシステムは、エスリヴェールの創造当初からあったものではなく、
奇跡の歌姫ハナチルサト・オランジェが活躍した時代あたりから始まったとされている。